9月8日、札幌で「フェアトレードと持続可能な地域づくり」と題したセミナーが開催されました。
自治体国際化協会(CIAIR)市民国際プラザ主催で、今年の6月に日本で5番目のフェアトレードタウンになったばかりの札幌市の取り組みを事例として学びつつ、フェアトレードを通じた持続可能な社会の実現や地域づくりの可能性について考えることを目的としています。
私は話題提供者として、セミナーの冒頭、これまで40年以上にわたりフェアトレードに取り組んできたシャプラニールの事例を基に、フェアトレードの活動が生産者やその家族に対してどのようなインパクトを与えるのか、一方、市民運動としてのフェアトレードが日本国内でどのような可能性をもっているのか、についてお話しました。
その後、札幌市環境局の佐竹輝洋さんが、SDGs未来都市にもなっている札幌市の取り組みと、フェアトレードタウンさっぽろ戦略会議の活動、高校生の取り組み等について発表。今年4月にサッポロファクトリー内にSustainableをテーマにエシカル消費やフェアトレードを推進する商品のセレクトショップ「Ethical Time」をオープンした村上彩子さんが、ビジネスの視点からフェアトレードについて語りました。最後にCSOネットワークの長谷川雅子さんが「市民の参加」をキーワードに、地域の取り組みを見える化することの重要性、そのための具体的な方法論について、黒部市の事例やCIS、SA2020など具体的な「可視化」の方法を紹介しました。
質疑応答の後、スピーカーがパネリストとなり、北海道国際交流センター(HIF)の池田誠さんをファシリテーターに「フェアトレードタウン活動を進める上でのお悩み相談」という形で、フェアトレードタウンを目指そうと考えている函館市の状況をみて、各パネリストからのコメントを発表する、という形で話を進めました。会場には北海道内外の市町村や学校関係者など50人近い参加者が集まりましたが、そのうち何人かからそれぞれの地域の状況や興味・関心について聴き、またパネリストからのコメントを伝える、というセッションを行いました。その中で、函館市をはじめ滝川市、恵庭市、帯広市等でもフェアトレードタウンの運動を始めよう!という話も出ました。
ちなみに、札幌が私の出身地ということで、親族や高校の同級生などにも声をかけたところ、これまであまりフェアトレードには馴染みのなかった人も含め何人かが参加してくれました。市民運動と言いつつ、一部の人たちの取り組みに限られがちなフェアトレードを本当の意味で広く市民に広めていくための一歩として意味があったのではないかと思います。
セミナー終了後に行われた懇親会にもたくさんの人が参加し、さらに熱い議論が続きました。