1月18日、「新しい”国際協力”を考える」と題しJANIC(国際協力NGOセンター)主催のカンファレンスが聖心グローバルプラザで開催されました。関係者も含めると約170人が参加し、さまざまなテーマで国際協力の今について議論が行われました。

前半のオープニングでは、JANIC理事長の谷山さん、ピースウィンズジャパンの大西さん、ACEの岩附さんが登壇し、それぞれの組織の活動や今後の展望について発言、相互の感想を述べ合う中で、市民社会組織のあり方や今後の可能性について考える機会となりました。

オープニングの全体会の様子

オープニングの全体会の様子

後半は「災害から私たちは何を学び、活かすのか」「子どもと若者のセーフガーディングを我々のスタンダードに」「インターネットを超える?ブロックチェーンの技術は国際協力の現場で利用できるのか」「なぜ日本にメガNGOは存在しないのか?」という4つの分科会が開催されました。

私は「なぜ日本にメガNGOは存在しないのか」のモデレーターを務めたのですが、40人を超える参加者が集まり、立ち見が出るほどでした。この分科会ではまずNGOの組織論で知られる国士舘大学の中山さんから、組織の合併について理論的なレクチャーと、実際の日本のNGOの状況分析について話がありました。国際協力は既に成熟したマーケットであると考えられ、破壊的なイノベーションを必要としている、といったかなり刺激的な表現を交えながら、NGO業界が変革を求められているという提言がなされました。

次にセーブザチルドレンジャパンの千賀事務局長から、セーブザチルドレンUKがメルリンという人道支援を得意とするNGOを買収した事例について共有してもらうとともに、かつてアメリカでは政府の資金によりNGOの組織強化が行われ、NGOが政府にとって「戦略的パートナー」として位置付けられているという報告がありました。

参加者からは、カナダ政府もNGO支援を積極的に行ってきていること、NGOの救済合併の事例がいくつもある、といったことが共有されたり、合併まで行かなくとも、管理部門の共有化といった連携の可能性があるのではないか、といった意見が出されました。

もちろん、規模が大きければいいというわけではありませんし、多様性の確保が重要であることは言うまでもありません。恐らく、NGOの規模や合併といったテーマでこうした議論が行われたのは初めてではないかと思います。これをきっかけに、今後さまざまな議論が行われ、NGOの活性化が進むことを期待しています。

最後のクロージングでは、各分科会からの報告の後、JANICが来年度以降毎年行おうとしている大規模なカンファレンスのタイトルとロゴが発表されました。

HAPICのロゴ

HAPICのロゴ

タイトルは『HAPIC(Happiness Idea Conference、ハピック)』。ロゴにはJANICも推進しているSDGsが表現されています。数百人規模で様々なセクターが集い、グローバルな社会課題の解決へ向けた議論を行うカンファレンスを目指しています。私もJANICの理事としてこれに関わることになります。ぜひご期待ください。

事務局長 小松豊明