ネパール事務所のキル・バハドゥール・ガレ職員を日本に招へいし、ネパール南部でシャプラニールが取り組む「住民と行政による洪水に強いコミュニティづくり」をテーマに開催した全国キャラバン2019から、早くも1ヶ月が経ちました。
今回のキャラバンでは、全国8都道府県15ヶ所で講演を行い、645名の方に参加していただきました。改めて、全国キャラバンを受け入れてくださった主催者の皆様、宿泊先を提供してくださった皆様、そして会場に足を運んでくださった皆様に心より御礼申し上げます。
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・早稲田大学・聖心女子大学・横浜・逗子
関西を訪問した際には、兵庫県のコミュニティラジオであるFMわぃわぃに出演、当会の紹介、ネパールでの活動、そして全国キャラバンについてお話しする機会を頂きました。その際の動画を掲載しますので、是非ご覧ください。
今回は、キル職員から一方的にネパールのことをお伝えするだけでなく、参加者の皆様から各地域での取り組みや経験を共有していただいたほか、質疑応答の時間にも多くの方から様々なご質問があり、相互の学び合いや交流を密にできたことが、大きな成果のひとつです。また、今回の講演をきっかけにネパールがどのような国なのか初めて知ったという方も多く、ネパールと日本の市民社会の架け橋としての役割も果たせたのではと思います。
単なる洪水防災事業ではない、生命を守るための事業
ネパールで私たちが行っている事業は、単なる洪水対策ではなく、河川周辺に住む人々の命を守る事業である、ということも今回お伝えしたかったことの一つです。日本を含め世界中で自然災害が頻発し、多くの尊い命が失われている昨今、自然災害によるリスクを最大限減らし、命を守るための防災活動は必要不可欠です。堤防や砂防ダム等を建設して終わりなのではなく、河川流域の住民コミュニティ、そして地方行政の防災意識を高め、日頃から災害に備えるための取り組みを継続的に行っていくことが、災害が発生した時のリスクを下げること(減災、Disaster Risk Reduction=DRR)に繋がります。
「知る・伝える・行動する」
講演の冒頭で必ず皆様にお伝えしていたことがあります。それは「知る・伝える・行動する」ことの大切さ。世界には様々な問題が山積しており、個人の力だけでは簡単には変えられないと思いがちです。しかし、本当にそうでしょうか。まず世界で、日本で、何が起きているのか、どのような問題があるのか「知る」ということが、変化を生み出すための大切な一歩です。そして、見聞きして知ったことを、家族や友人、職場の同僚など周囲の人に「伝え」、「行動」につなげることが問題解決に繋がっていくのではないでしょうか。今回の講演会が、何か行動を起こしたいと思うきっかけになっていれば幸いです。
全国キャラバン2019開催にあたりご協力いただいた皆様、参加してくださった皆様、本当にありがとうございました。