こんにちは!広報グループインターンの小板橋です!
今回は第三弾となる、「オンライン講座シャプラバ! 家事使用人の少女達に希望ある未来を」を実施しました!その様子や、インターンとして参加した感想をお伝えいたします。
今回のイベントは、シャプラニールバングラデシュ事務所長の内山智子と、『わたし8歳、職業、家事使用人』著者で立教大学准教授の日下部尚徳氏が登壇しました。
講座が行われた前日、6月12日は児童労働反対世界デーでした。これにちなんで、講座の内容も家事使用人として働く少女たちについてでした。
バングラデシュの家事使用人は約42万1千人(ILO,2007年)で、そのうちの80%が女の子、さらにその78%が14歳未満の少女たちだと言われています。正確な人数を把握することは難しいですが、児童労働している少女が多いことに変わりはありません。
家事使用人として幼い少女を雇う理由は、言うことを聞くから、年齢が近い為子守に適任だから、狭いスペースでも生活できる、賃金が安い、恋愛対象に見られることが無いということ、それに加えて、農村部の貧しい子どもやその家族を「助けてあげている」という認識の雇い主が多いそうです。
貧しい家庭では、子どもを児童労働に送り出すことで生活費の節約、特に少女たちは結婚示談金を幼いうちに稼ぐことも兼ねて家事使用人として働くこともあるそうで、この需要と供給の一致が児童労働問題解決の難点だといいます。
今回の講座のキーポイントとなったのが、「児童労働そのものを悪いことだと思わない」文化でした。とても驚いたのが、バングラデシュの役人の方々やあるNGOのスタッフの家にも家事使用人の少女がいるということでした。働いている少女たちについて聞くと、「貧しい家庭で困っていたそうだから雇ってあげたんだ」と、当たり前に人助けだという返答が来るそうです。しかし、「自分の子どもでも働かせますか?」と聞くと、「そんなことはさせない!」と答えられ、まだまだ家事使用人の子どもも誰かの子どもであるという認識は広まっていないように感じます。
私たちは、こういった雇い主への問いかけだけでなく、家事使用人を送り出している地域や社会への啓発を行うことが、人々の考え方政治にも影響を与えることが重要だと感じました。
シャプラニールではこういった家事使用人の少女たちへの支援として、首都ダッカで3つの支援センターを運営しています。センターでは読み書きや算数などの学習を行うだけではなく、生きていく上で必要な保健衛生や職業訓練、年に一度の運動会などを行っており、一日の中で遊ぶ時間もない少女たちにとって、同世代の友人と過ごすこの時間が楽しみになっているそうです。センターに通った少女は300人を超え、その中の30人はチャイルドリーダーとして次の世代の少女たちに教える役割をしているそうです。
講演の中で、「住み込みで働く少女たちは雇い主に支援センターに行かせてもらえるのか」という質問がありました。もちろん、少女たちがセンターに来るということは、労働の時間が減るということで、雇い主もいい顔はしません。そういった時スタッフが個別家庭訪問を行い、センターに来ることで正しい家事のやり方、行儀作法、料理などが学べるなどということを伝え、雇い主の利益も加味するようにしているそうです。限られた時間の中で、学校の補修的な勉強と職業訓練をバランスよく行っていることにとても納得しました。
しかし、このコロナ禍で少女たちの息抜きの場であるセンターも、現在は閉まっています。シャプラニールのスタッフは電話で少女たちの状況を確認するなどの個別に少女たちへ対応とっています。
家事使用人の少女たちには、住み込みで寝食を共にするフルタイムと、都市部のスラムに家族と暮らし雇い主の家に通うパートタイムがあります。
コロナの影響で、フルタイムの少女は雇い主家族の在宅時間の増加により仕事の量が増え、パートタイムの少女はスラムに一緒に暮らす両親などの収入が減少するなどし、家庭全体が生活に困窮しているということでした。
シャプラニールでは家族とスラムに住む、通いの家事使用人の少女たちを対象に食糧配布支援を実施しました。詳細
イベントの最後には、参加者の皆さんと児童労働ネットワーク主催の「レッドカードキャンペーン」を実施しました。レッドカードを掲げ、児童労働に反対の意思表示を行いました。こういった状況ですが、画面越しに皆さんとアクションを起こすことができ、シャプラニールが長年をかけて築いてきた繋がりの強さや、支援者の皆さんの温かさを感じることができました。
ご参加くださった皆さん、ありがとうございました!
広報グループインターン 小板橋