こんにちは!国内活動グループインターンの丸山です。今回は、5月28日に開催されたオンライン講座「Fairtrade Month ~フェアトレード最新事情をお伝えします~」に参加した報告をさせていただきます。

5月はフェアトレード月間ということで、フェアトレード活動「クラフトリンク」担当の小川職員からフェアトレードについてのお話を、今年2022年3月末にネパールの商品生産者のもとを訪れた長瀬職員からは実際の商品づくりの様子を伺いました!加えて、現在フェアトレードタウンの認定に向けて街が盛り上がっている東京都武蔵野市「フェアトレードむさしの」で活動されているシャプラニール代表理事の坂口さんに三鷹で開催のマルシェの様子を中継していただきました。

フェアトレードの意義と生産現場の思いを知る

小川職員からのお話では、フェアトレードとは何か、といった基本から始まり、シャプラニールのフェアトレード活動「クラフトリンク」の実例を踏まえたその意義についての説明がありました。フェアトレードの目的として生産者の生活改善に加えて、彼らの尊厳や自信を取り戻すこと、モノを通じた人のつながりの重要性を改めて学びました。

クラフトリンクでは社会的・経済的により厳しい状況におかれている女性たちを手工芸品の生産および販売を通じて支援することで生活向上を目指しています。その背景には、1974年にバングラデシュで洪水に見舞われた農村の復興活動の一環として社会進出の機会が限られる女性を対象とした活動が始まり、それが女性たちにとって大きな変化となったことがあります。このような出来事から始まり今に至るクラフトリンクは、単なる取引先としてのお金やモノだけの関係ではなく、パートナー団体が生産者に対して生活向上プログラムを行うなど、人とのつながり・関係を築く活動も展開しています。

女性たちのエンパワーメントにつなげる
女性たちのエンパワーメントにつなげる

続いて、ネパールの女性自立支援団体WSDOで女性が作っているクラフトリンクの商品製作過程の動画を見ながら、長瀬職員から詳しい工程の説明をしていただきました。ネパールの女性たちが手作業で作っていることは知っていましたが、糸の染色から機織りまで実際に行われる作業を目にするのは初めてでした。自分が触れてきた商品の背景をそのまま見られたことに、意義深く感じました。

機織りをしている様子

また、バングラデシュの生産団体「プロボルトナ」の絞り染めの生産者の事例から、現地では女性の社会進出に対する社会の理解がまだ完全に得られていないことにも言及されていました。一方、生産団体では、COVID-19によって生活に苦しむ生産者に他の仕事を工面するなど生産者の生活を助ける方策がとられているとのことでした。

日本でも活発に行われるフェアートレード活動

最後に小川職員からフェアトレードタウンについて解説していただいた後、「フェアトレードむさしの」三鷹タワーズマルシェの様子を代表理事の坂口さんにライブ中継していただきました。

三鷹タワーズマルシェの様子
三鷹タワーズマルシェの様子

約20年前にイギリスから始まったフェアトレードタウン運動は世界中に広がりを見せ、2010年の熊本県熊本市の登録をはじめとして日本でも各地に誕生しています。日本では独自のフェアトレードタウン基準として「地域活性化への貢献」を設定し、貿易だけでなくローカルな視点も取り入れています。

坂口さんによる三鷹タワーズマルシェの中継では、「フェアトレードむさしの」に関わる団体による、スリランカの伝統工芸製品やフェアトレードチョコレート、福祉とフェアトレードを組み合わせたウェルフェアトレードの商品など多岐にわたった出店の様子を見ることができました。質疑応答ではフェアトレードむさしのの課題として、行政のバックアップを得られていない点が挙げられました。中継からは活発な市民参加がみられ、これからがとても楽しみです!

今回のオンライン講座シャプラバでは、フェアトレードについて基礎知識から生産の過程、そして様々な実践の例まで、丸ごと学ぶことができました!フェアトレード月間の5月は過ぎましたが、一過性のものではなく継続的な市民参加のために活動していければと思います!

今回のシャプラバに参加してくださった皆様、ありがとうございました!

国内活動グループインターン 丸山