こんにちは、コミュニケーショングループ インターンの藤原です。
学生の方々とともに、誰も取り残さない「インクルーシブ」な防災について考え、アクションを起こす企画「SAVE LIFE,SAFE LIVE」。
インクルーシブ防災について学ぶワークショップと、アート作りの二部構成となっている本企画の後半として、学びを形にして、多くの人に「インクルーシブ防災」について知ってもらうための、はがきアート作りを3月24日に行いました。
前半に引き続き、学習院女子中・高等科の皆さん、そして在住ネパール人が多く通うエベレストインターナショナルの生徒の方々が集まりました。前回のワークショップで学生たちが考えたインクルーシブ防災のシンボルマークの中で特に分かりやすく伝えられるデザインを選び、約1万枚の書き損じはがきを使って巨大アートにしました!日本・そしてネパールにルーツを持つ学生たちがともにインクルーシブ防災について体験し、アウトプットしました。
▼前回のワークショップの詳細はこちらをご覧ください
https://www.shaplaneer.org/blog/tokyo-office/240215_inclusive_ws/
防災訓練で体感する災害時の行動
当日は、アート作りの前に、実際に災害時の行動を体感する防災訓練を実施しました。新宿区役所の危機管理課の方々にご協力いただき、地震を体験する「地震ザブトン」、車椅子の補助の練習も合わせた「仮設トイレ体験」、「消火器訓練」の3つを実施しました。ネパール人の学生の中には防災訓練を受けたことがない学生もいて、初めての体験に驚く様子も見られました。
「地震ザブトン」は日本にまだ6台しかない最新の地震動シミュレーター。阪神淡路大震災や新潟県中越沖地震等、過去に起きた大規模な地震を振動と揺れる室内の映像によって再現する器具です。体が前後左右に激しく振り回される様子に、実際に乗っている生徒だけでなく周りからもこんな衝撃があるんだと驚いた声が上がっていました。
消防士の方を交えての消火訓練や、車いすの人を助けながらの避難訓練を体験していました。生徒の反応や感想を聞くと、災害への備えや災害発生時の行動について学ぶ機会になっていたようでした。
訓練の後は交流の時間
防災訓練の後はお昼休憩の時間。昼食後、両校の生徒が一緒になってバレーボールやカードゲームをして遊び、言葉や文化の違いを超えて交流をする生徒たちの姿が素敵だと思いました。
インクルーシブ防災を伝える巨大アート作りに挑戦!
午後からはいよいよ1万枚のはがきを使ったアート作りを始めました。絵柄を6分割し、グループごとに担当部分のはがきを並べていきます。特にマークや文字の部分は向きと順番を正しく置かなければ絵柄が崩れてしまうため、難易度が高く、ときどき離れて形があっているか確認しながら進めました。
2時間を予定していたアート作りでしたが、両校の学生たちが協力して真剣にアート作りに取り組み、大きな失敗もなく1時間ちょっとで早く床一面を埋め尽くす巨大なアートが完成!!最後のピースをネパール人学生が置き、拍手で終了しました。
上の階から見下ろすとその大きさと、理想通りにできたアートに感動。学生たちは歓声を上げて、写真を撮りながら嬉しそうにアートを見つめていました。学生たちでインクルーシブ防災のマークを考え、自らの手で巨大アートとして完成させた今回の試み。今回のイベントは、本企画の前半で得た知識を後半で実際に体験したりアウトプットするいい機会になったと思います。
十分にアートを楽しんだ後は、はがきを丁寧に回収しました。これらのはがきは、この後換金され、シャプラニールが行うネパールやバングラデシュでの災害に強い地域を作る活動への寄付として活用されます。
最後は、学習院女子の生徒による学校見学を行い、その後解散となりました。エベレストインターナショナルの生徒たちが帰る時に大きく手を振り、学習院女子の生徒たちも振り返していたのが印象的でした。
あとがき
今回のイベントを通して印象的だったのは、出身国や言語の壁を越えて友情をはぐくみながら防災について真剣に考え、両校の生徒が一緒に協力して作業に取り組んでいた姿でした。
これから、国内で多様な人々が増えていく中で、人種や性別、障がいなどに左右されず、みんなの安全が確保される「インクルーシブ防災」が実現されるためには、今回のイベントで学生たちの間で見られたような、歩み寄りと相互理解の心が必要だと感じました。より多くの人たちにインクルーシブ防災を広め、意識を芽生えさせられるよう、自分に出来ることを模索していきたいです。
シャプラニールでは通年で未使用・書き損じはがきの寄付を集めています。また、はがき以外にも本やCDなど色々な不要品を集めています。寄付された物品は換金した後、シャプラニールの活動に充てさせていただきます。おうちにある不要品、ぜひ捨てずに寄付していただけたら嬉しいです!
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コミュニケーショングループ インターン 藤原