私たちの取り組みはSDGsへの達成にどのように貢献しているのでしょうか。 全3回シリーズ、第2回は「災害に強い地域をつくる」活動を詳しくみてみましょう!
シャプラニールは、 バングラデシュではバゲルハット県ショロンコラ郡でサイクロン防災事業、ネパー ルは南部チトワン郡で洪水防災事業、及び首都カトマンズ近郊で地震防災事業を実施してきました。いつ起こるかわからない災害に備え、自助・共助・公助の取 り組みでコミュニティの防災力を高める活動をしています。
現行のプロジェクト
・サイクロンに強い地域・人づくりプロジェクト(バングラデシュ)
・洪水に強い地域づくり/土砂崩れに負けない地域プロジェクト(ネパール) ※2019年11月終了、洪水に強い地域づくりプロジェクトは2020年2月より第三期事業開始
・地域で命を救う、地震復興&防災プロジェクト(ネパール) ※2019年9月終了
●「 災害に強い地域をつくる 」それぞれのプロジェクト詳細はこちら。
実際に、社会への変化をみてみよう!
特に関わりの深いSDGsゴール(目標)とターゲット(具体策)の指標に照し合せながら、活動成果をみていきます! SDGsの達成には、ひとつの課題を解決をしていくのではなく、 課題のつながりを理解し、 企業、団体、個人などがそれぞれの知見を活かし、パートナーシップを築き共に社会変容を促すことが求められています。
該当ゴール 1
あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
ターゲット 1.5
2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社 会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する。
指標 1.5.1
10万人当たりの災害による死者数、行方不明者数、直接的負傷者数
洪水発生による人的・物的被害が 発生しないことを目指した結果、事業後は事業地において人的・物的被害はゼロ。インフラ設置により、約500世帯、450ヘクタールの農地が洪水からの被害を受けずに済んだと考えられる。
※画像(右)は地域のハザードマップ
<事業の成果>
洪水に強い地域づくりプロジェクトは、「広域流域管理」、英語だと「One River One Community」という考え方で進めています。1つの河川の上から下までの洪水発生の仕組みを理解し、その対策も上から下まで総合的な計画の基にその河川流域の住民が全員参加で行うというものです。そして、 住民と行政が洪水リスクを減らすため取り組んだ結果、この事業は高く評価され、2020年2月より第三期事業として同市のラクタニ川流域を対象に事業を開始することになりました。
元々この地域では、大雨が降れば、 毎年のように住居は浸水し、田畑や家畜が流されたりすることが繰り返されていました。しかしプロジェクト実施後は、インフラの整備がされ大雨が降っても川の水が生活地域へ流れてくることを防いだり、住民間の声かけで事前に避難するなどして被害を最小限に抑えることができています。地域を離れていく人も多かった土地に、住民が少しずつ増えてきたといいます。これらの詳しい活動は「現地ルポ」「ネパールスタディツアー2019」をご覧ください。
該当ゴール 11
包摂的で安全かつ強靱 (レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
ターゲット 11.5
2030年までに、貧困層および脆弱な立場にある人々の保護に重点を置き、水害などの災害による死者や被災者数を大幅に削減し、世界の国内 総生産比で直接的経済損失を大幅に減らす。
指標 11.5.1
10万人当たりの災害による死者数、行方不明者数、直接的負傷者数
地震災害による死者数、負傷者数 および建物の損害を最小限に抑えることを目的とし、対象地域の防災能力の強化を目指した。
カトマンズ盆地内5区を対象に防災知識の普及、救命用具の設置などを行った。対象世帯数:13,797世帯 (56,882人)
該当ゴール 17
持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・ パートナーシップを活性化する
ターゲット 17.17
さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略を基にした、効果的な公的、官民、市民社会のパート ナーシップを奨励・推進する。
指標 17.17.1 (b)
市民社会パートナ ーシップにコミットしたUSドルの総額
適切な地域状況の把握に基づ いた防災計画が策定され、その計画に沿った防災・減災行 動が三助の連携のもとに実践された。
JICA資金による支援総額:18,527,000円(2018 年度)
シャプラニールの「災害に強い地域をつくる」という活動の内、現在ネパールでは「洪水が多い地域での防災活動」を実施しています。洪水が起きる河川でのインフラ設置とコミュニティでの防災活動を支援といったハードとソフトを組み合わせたこの事業。昨今、日本でも洪水災害のニュースを多く目にする中で、この活動の重要性を改めて感じています。
2020年度上半期はCOVID-19の影響もあり、制限されてしまった活動もありましたが、なんとか雨期の前までに予定していたインフラ設置作業を完了することができました。下半期は引き続き安全対策を取りながら、勉強会や研修を通じた防災能力強化、コミュニティでの防災体制強化に取り組んでいきます。
日本でも一緒に取り組めること
1.最新情報を発信しています。
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2. 「ステナイ生活」のボランティアに参加する!
「ステナイ生活」の活動は、書き損じたはがきや使用済み切手など、捨ててしまがちな物品を換金して国際協力へ活かす新しいライフスタイルです。
そして、こうし全国より寄せられる物品のはがきや切手は、シャプラニールの東京事務所(東京都新宿区西早稲田)でボランティアのみなさんによって仕分け作業が行われています。作業内容は、はがきの枚数を数えたり、切手を額面ごとに整理し台紙に貼ったりなどです。
事務所ボランティアはどなたでもご参加いただけます。なお、現在はボランティアの受け入れはCOVID-19の感染拡大の防止のため制限をして実施しています。ご参加にあたっての注意事項を必ずお読みいただき、ご理解の上、ご参加くださいますようお願いいたします。
3. オンラインイベントに参加する!
現在のイベントは全てオンラインにて開催しています。ホームページでは伝えきれない、職員の体験談や写真映像などを交えて、シャプラニールの活動や現地の情報について、より詳しくお伝えしています。国際協力に触れてみたい方、バングラデシュやネパールがお好きな方など、どんな方でも気軽にご参加いただけるように毎回異なるテーマで開催しています。ぜひこの機会にご覧ください。
4. 夏期募金で活動を応援する
シャプラニールは多くの方に支えられ活動を続けることができています。これまでも活動を続けることが苦しくなることもありました。しかし、バングラデシュやネパールの人々に想いを馳せ、 私たちの活動に温かいご支援や協力を寄せていただいたのは市民のみなさんです。こうした人と人の繋がりが形となって、今のシャプラニールの活動につながっています。
シャプラニールでは、季節募金として、夏期募金(通常5月末から9月末)、および年末年始募金(通常11月末から翌年2月末)を実施しています。現在は9月30日まで、夏期募金の受付けをしています。「貧困をなくす」活動にどうかご協力をお願いします。
自然災害はいつ起こるかわかりません。でも備えることはできます。あなたもぜひこの機会に、まずはご自身の防災についても学んでみませんか。これからはCOVID-19などの感染症対策も同時に行わなければなりません。すでに備えをしている方はその知識を近くのご友人やご家族と共有してみてください。その知識が命を救う行動につながります。
防災は誰もが意識して取り組むべきことです。日々めまぐるしく変化していく社会ですが、一人ひとりが取り組むことで、課題に目を向け人が多くなり、そして国際目標SDGs達成に一歩、二歩と近づくことでしょう。 >東京都防災ホームページ「知ろう・学ぼう・防災知識」
次回第3回は、シャプラニールが1974年から取り組む「フェアトレードを通じて共生する社会をつくる」活動について掘り下げてお伝えします。
>世界が達成を目指す国際目標!シャプラニールの活動からみるSDGs!
>第1回「子どもの権利を守る」活動編
>第3回「フェアトレードを通じて共生する社会をつくる」活動編
※この情報はシャプラニール会報「南の風」vol.287発行時点(2020年3月)一部編集して転載しています。
※該当ゴール、ターゲット、指標は外務省「JAPAN SDGs Action Platform」 ウェブサイトより転載しています。