現在、スタディツアーでネパールを訪れています。
現場よりレポートをお届けします!
今回のツアーでは、チトワン郡マディ市の洪水が起きやすい地域でシャプラニールが実施している防災プロジェクトのボランティアを体験します。また、カトマンズ市のフェアトレード生産団体のものづくりの現場を見学し、生産者のご自宅を訪問してフェアトレードを通じてどのように生活の変化があったのかお話を伺います。
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防災プロジェクトのボランティアでは、洪水常襲地域であるマディ市のバンダルムレ川で、堤防を作るための石を運ぶお手伝いをしました。老若男女たくさんの地域住民が参加しており、ツアーの参加者もカタコトのネパール語を駆使して交流を楽しんでいました。
今回シャプラニールが実施している堤防の建設支援では、川の一部を補強するのではなく、1つの川を上流から下流までを全体最適化するプロジェクトで、日本の防災専門家の協力を得て設置を進めています。川の全体最適化が求められる理由としては、例えば中流の集落の洪水対策だけ考えて堤防を設置してしまうと、流れが変化して下流の集落に悪影響を及ぼすことがあるためです。これらは「One River One Community」という広域流域管理の概念に基づき進められています。
堤防作りのボランティアの後、私たちは4WDに乗って、実際に川の上流、中流、下流の様子を視察しました。今は乾期のため水は少ないですが、所々に壊れた堤防がそのまま放置されており、洪水の威力を物語っていました。
シャプラニールの防災プロジェクトでは、堤防設置だけではなく、防災に備えるため住民組織の強化や、防災のための助成金を得るなど行政との交渉能力の強化、学校での防災教育の導入に力を入れています。
ボランティアの翌日、8つの集落から来た防災に関する住民組織の代表と交流会を開き、普段組織がどのように運営されているのか伺いました。カリアンプールという集落では11人から成る防災委員会で地域を取りまとめており、「日頃の住民の防災意識の啓発や洪水の早期警戒警報のおかげで今年の洪水時も住民の命を守ることができた」と話していました。さらに、今回のツアー参加者の一人が2017年7月に起きた九州北部の土砂災害についてプレゼンテーションを実施しました。集落の住民組織メンバーからは「九州の地域住民はどのように動いたのか?」「どのような自発的な行動があったのか?」などの質問が飛び交いました。
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そしてチトワン最後のお楽しみイベント、皆で象に乗ってチトワン国立公園のジャングルを散策しました。
国立公園にはたくさんの野生の動物が生息しています。今回は運良くサイ、猿、ワニ、クジャク、鹿、イノシシなどの動物を見ることができて、皆大興奮でした!
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本日無事にカトマンズに戻り、明日はカトマンズ市内でシャプラニールのフェアトレード事業のパートナー生産団体を見学する予定です。
チトワン・カトマンズ間は約8時間ほどかけての長距離ドライブでしたが、皆ガタガタの山道を物ともせず爆睡していました。
下は高校1年生、上は70歳と幅広い年齢の方が参加していますが、それぞれ個性的なメンバーで笑いが絶えません!