特定非営利活動法人「ストップいじめ!ナビ」代表理事、評論家、ラジオパーソナリティ。ラジオ番組「荻上チキ・Session-22」(TBSラジオ)では、2015年度、2016年度とギャラクシー賞を受賞(DJパーソナリティ賞およびラジオ部門大賞)。
キャンペーンTOP»「子ども支援を行う活動家に聞きました」荻上チキさんインタビュー CHAPTER.1 社会問題の解決に向けて
【CHAPTER.1】社会問題の解決に向けて
【CHAPTER.2】『子どもの権利』を守るためのアクション
【CHAPTER.3】子どもが自分らしく生きられるように
CHAPTER.1 社会問題の解決に向けて
多岐に渡る興味で見えてくる「社会問題」
今は評論家、特定非営利活動法人「ストップいじめ!ナビ」の代表理事、ラジオパーソナリティが主な活動です。少し前まではニュースウェブメディアの編集長もしていました。あとはボランタリーワークですが、リサーチャーとしても活動しています。例えば、ジャーナリストの伊藤詩織さんの裁判(注1)のためにネット上の名誉棄損情報について調べたりしています。
評論家としての活動は、その都度関心をもったテーマについて書いています。主に流言、メディア論、災害、いじめなどのテーマが多いですね。変わったところだと、犯罪統計、ディズニー映画の批評、セックスメディアとか。こうやって仕事をしていると、さまざまな分野の土地勘が身付いてきて、その分野で「仕事がなされていないな」つまり、「この観点の本が出ていないな」、「このデータが出ているけどこのデータは取られてないな」といったことが見えてくるんです。こうして課題が見えてきたら、解決策になる書籍を自分で書くか、編集者となって書ける人に依頼しています。
(注1)性的暴行の被害を訴えているジャーナリストの伊藤詩織さんが自身を誹謗中傷するウェブ上の投稿に対し、名誉毀損などを訴えて起こした裁判。例えば、自民党の杉田水脈議員が賛同を示す「いいね」を押したことで名誉感情を傷つけられたとして、杉田氏に220万円の損害賠償を求めている。
気が付いたらNPO法人の代表理事に!?
NPO法人「ストップいじめ!ナビ」の活動は、子どもの命や人権を守るために「いじめ」やそれに関連する情報を必要な人に届けることが役割です。私達のNPOでは「優しさで接するのではなく、知性で接する」と言っているのですが、子どもの相談事業などを行うのではなく、科学的根拠や研究データの調査研究を行い、主に大人に情報提供をおこない、提言や啓発活動を行うといった具体に、必要な人に正しい情報=「知性」を提供することを意識して問題解決を促しています。
活動は2012年にスタートして、2014年にNPO法人化しました。当時メディアが大津いじめ事件(注2)を派手に取り上げていていたのですが、肝心ないじめ問題の根本的な解決が話されていませんでした。日本では「いじめ」が社会問題化されて30年以上経つのに、何も変わっていない、この分野は「仕事がなされていない」と思ったことがきっかけで始まった活動です。
私ははじめ、活動に誘われた側だったんです。データ活用やアドバイザリーとして関わってくれないかと何人かいる委員の一人だったのですが、アイディアを出していたら「じゃあ、代表で!」ってなって(笑)。「事務は得意でないので、誰か信頼できるパートナーが一緒なら…」なんて言っていたら、特定非営利活動法人チャイルドライン支援センターの須永祐慈が事務局長やるよ、ということになり今に至ります。
(注2)大津市中2いじめ自殺事件:2011年10月11日に滋賀県大津市内の中学2年生の生徒がいじめが原因で自殺するに至った事件。事件前後の学校と教育委員会の隠蔽が発覚し、問題視されて大きくメディアで取り上げられた。2012年には本事件が誘因となって「いじめ防止対策推進法」が国会で可決された。
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キャンペーンTOP»「子ども支援を行う活動家に聞きました」荻上チキさんインタビュー CHAPTER.1 社会問題の解決に向けて
【CHAPTER.1】社会問題の解決に向けて
【CHAPTER.2】『子どもの権利』を守るためのアクション
【CHAPTER.3】子どもが自分らしく生きられるように