スタッフの想い
シャプラニールには、東京事務所、バングラデシュ事務所、ネパール事務所で
およそ40名の職員が働いています。国際協力NGOの職員が今、考えていることを語ります。
「シャプラニールとの長い旅」
ネパール事務所 プログラムオフィサー
スリジャナ・シュレスタ
事業を通して社会が変わるために
シャプラニールはバングラデシュ、ネパール両国において児童労働の削減に取り組んでいます。ネパール事務所ではネパールの南部に位置するマクワンプール郡において、行政と協力し児童保護委員会の能力強化やハイリスク世帯(注)への働きかけなどを通じた事業を実施しており、私はこの事業を担当しています。
計画やその実施、事業のモニタリングやステークホルダーとの関係構築など実にさまざまな業務がありますが、事業目的を達成するために最も大事だと思うのは、パートナーNGOであるCWIN(シーウィン)と協慟して同じ立場に立って事業にあたることだと考えています。私は普段カトマンズで業務にあたっていますが、現場で起こっていることは現地からの報告書だけでは分からないことも多くあります。そのような時は、モニタリングや事業に協力してくれる地域の人々の声にCWINと共に耳を傾け、CWINが事業実施で課題を抱えていれば一緒に課題解決に取り組むような姿勢を大事にしています。
シャプラニールという組織で働いて
シャプラニールで働いて感じることは、働き方の柔軟さです。2004年に入職し、勤続16年の間に、児童労働削減事業のほかに地震防災事業やフェアトレード活動など実にいろいろなことを経験させてもらいました。また私自身、ネパール事務所開設後の初期の段階から勤務してきたため、組織化にも貢献できているのではないかと思っています。ネパール事務所の強みは、なんといってもチームで物事に取り組むこと、そして経験を大切にまずはやってみるという姿勢があることではないかと思っています。
ネパール社会には開発から取り残される人も多くおり、まだ課題が山積しています。これからのネパール社会の中においてシャプラニールがどうあるべきかを考えると、開発分野をリードできるような組織になっていくことが求められていると感じています。
注)ハイリスク世帯とは、児童労働に陥るリスクが高い子どもがいる世帯のこと。事業では教育支援や保護者への生計向上支援など個別支援を行っている。
PROFILE
スリジャナ・シュレスタ
2004年シャプラニール入職。現在は児童労働削減事業の担当。プライベートでは15歳と11歳の2児の母。趣味はガーデニングや読書。ネパールの生き神クマリについての著書『Living Goddess Kumari-“Reality and Myths”』を刊行している。
会報「南の風」294号掲載(2021年12月発行)
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