スタッフの想い
シャプラニールには、東京事務所、バングラデシュ事務所、ネパール事務所で
約およそ40名の職員が働いています。国際協力NGOの職員が今、考えていることを語ります。
「働く子どもたちが、素敵な未来を描けるように」
バングラデシュ事務所 プログラムオフィサー
マフザ・パルビン
家事使用人の少女たちの笑顔を取り戻したい
今「羽ばたけ、家事使用人の少女プロジェクト」と「家事使用人の少女たちに素敵な未来をキャンペーン」の担当しています。プロジェクトでは、少女たちの悲惨な状況を目の当たりにすることが多々あります。
家事使用人として働く少女たちには、家族と一緒にスラムに住みパートタイムで働いている少女たちと、家族と離れ長い間雇用主と一緒に暮らし働いているフルタイムの少女たちの2つのタイプがあります。後者のフルタイムで働く少女たちは肉体的にも精神的にも厳しく、より脆弱な立場にあると言えます。
私は活動を通して、子どもの家事使用人の権利のためには、当事者だけでなく地域コミュニティと協力することが非常に重要だと感じています。というのも、活動の中で、地域の自治会の協力があることによって、家事使用人の少女たちを取り巻く環境が改善されるような素晴らしい変化をみることができたからです。まさに彼女たちの人生に変化を起こすことができたのです。
初めて支援センターに来た時は子どもらしい表情が見られなかった子が、だんだんと表情が柔らかくなり、笑顔を見ることができる瞬間に遭遇すると、仕事は大変でも私は彼女たちの笑顔のためにこの仕事を続けようと決意を新たにすることができるのです。
キャラバンで日本全国をまわって
2017年に全国キャラバンのために日本へ行き、家事使用人の少女たちについて17カ所で講演をさせてもらい、支援者の方々とも直接お話をすることができました。少女たちのためのクラウドファンディングに寄付をくださった方々ともお話したのですが、事業を実施するための資金調達にどれほど多くの人が思いをもってかかわってくれているのかを改めて知れたことは、私にとって大きな学びでした。
また、バングラデシュの生産者が1つずつ手作りをしたクラフトリンクの商品が日本のお店に並べられているのを見ることができてとても感動しました。クラフトリンクの活動は、生産者に直接つながっているいうことを、肌で実感できた体験でした。
これまで日本以外の外国にも行ったことはありましたが、滞在中は、支援者や東京事務所の職員にサポートしてもらい、おおよそ1ヵ月の日本滞在は文化の違いに驚いたり、日本食を体験してみたりと、新鮮な時間を過ごすことができました。当時7歳だった息子をバングラデシュの私の両親に預けて日本に行っていたので、息子に毎晩電話していたのはいい思い出です。
おわりに
私にとって世界中の子どもたちは等しく尊い存在です。これからも私はバングラデシュの児童労働をなくすために働いていきたいと思います。シャプラニールはまもなく50周年を迎えます。シャプラニールが子どもの権利に取り組む世界有数のNGOになることを期待しています。
PROFILE
マフザ・パルビン
バングラデシュ、チッタゴン大学修士。2009年シャプラニール入職。入職後「すべての子供たちが学校に通うためのプロジェクト」に従事。現在は家事使用人の少女の授業とクラフトリング(フェアトレード事業)を担当。プライベートではコンサルタントの夫と小学3年生の息子と3人で暮らす。
◆バングラデシュの児童労働への取り組みについてはこちらをご覧ください。
・羽ばたけ、家事使用人の少女プロジェクト
・家事使用人の少女たちに素敵な未来をキャンペーン
◆シャプラニール児童労働反対キャンペーン2021(6/10~7/31)
6月12日は「児童労働反対世界デー」。そして、2021年は国連が定めた「児童労働撤廃国際年」です。私たちはこのキャンペーンを通して、世界の児童労働の実態、シャプラニールが行うバングラデシュとネパールの児童労働への取り組みをお伝えします。児童労働について知って、学んでもらい、さらに児童労働撲滅に向けて、ひとり一人ができる「アクション」についてSNS上で情報発信をしています。
▼キャンペーン特設ページはバナーから。『何ができるか、一緒に考え、行動しませんか?』