2017年10月に続いて、今後の支援の可能性を探るため2018年3月7日から10日までの間、事務局次長の藤﨑文子がコックスバザールの難民キャンプを再訪しました。難民急増から半年が経過した今、難民支援の現状とシャプラニールの支援について報告します。
・[前の記事] ロヒンギャ難民最新情報(2018年4月13日)
3月8日(木)にウキア郡のクトゥパロン難民キャンプを訪問しました。1月にシャプラニールと協働して毛布を配布したYPSA(イプシャ、Young Power in Social Action)がWFP(国連食糧計画)、セーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)と協同で実施する食料配布を視察しました。
この食料配布はクトゥパロン難民キャンプ内の旧バルカリキャンプ1、2地域、あわせて27,000世帯を対象としたものです。支援の重複、受け取り漏れを防ぐために世帯ごとに1枚のカードを発行する作業も同時並行して行われていました。3月4 日から開始、地域をカバーするには2カ月を要する見通しとのことです。
新しいカードは2回りほどサイズが大きいものでした。コーティングがしてあり、従来のものよりも耐久性は高そうです。
食料配給量は人数によって、分量と頻度が異なります。配給場所にはベンガル語と、ミャンマー語の文字に似たロヒンギャの言葉、さらにイラストによって図示されていました。
女性や年配者、子どもが受け取りに来た場合は、ポーター(運搬者Porter)と書かれたオレンジのベストを着たボランティアが運搬を手伝っていました。ボランティアもロヒンギャ難民で、YPSAから謝礼を支払っているということです。
次回は引き続きYPSAが実施する活動を紹介します。
シャプラニールでは現在、今回の現地視察で得た最新情報をもとに、政府や国際機関などの大きな支援から「取り残された人々」を対象に新たな支援を検討しています。
2017年11月23日、ミャンマー、バングラデシュの両政府はロヒンギャ難民のミャンマー帰還に向けた合意書に署名しました。しかしながら、具体的な帰還終了の時期は定まっておらず、ロヒンギャ難民問題は長期化することが予想され、国際社会による継続的な支援が必要とされています。どうか更なるご支援をお願いいたします。
引き続き、皆様からのロヒンギャ難民緊急救援募金および情報シェアのご協力をお願いします。
ロヒンギャ難民緊急救援への募金・支援詳細はこちら
[関連記事]
・ NGOや国際機関による支援活動 その2(2018年4月20日)
・ ロヒンギャ難民支援に関わる課題(2018年4月24日)