シャプラニールは西日本の記録的豪雨に伴う被害状況を受け、2018年8月10日から職員2名(長瀬職員、小川職員)を被害の大きい岡山県倉敷市真備町の倉敷市災害ボランティアセンターに派遣しています。
活動2日は、倉敷市ボランティアセンターの箭田サテライトにて活動を、ピースボート災害ボランティアセンター、全国から派遣されてくる社会福祉協議会、おかやまコープのスタッフのほか、さまざまな団体スタッフとボランティアと共にボランティアコーディネートを行いました。
この11日、12日はお盆前の週末となるため多くのボランティア受け入れが予想されていました。今日は平日より多い1,500人以上が参加されました。参加者は個人ボランティアはもちろん団体(企業などでマイクロバスで、またはグループなどでボランティアに参加する)も多くいます。1度ではなく、2度目、3度目など参加される市内外に問わず近隣の県からの方にもお会いしました。1日の作業時間は短いため、広いお宅だと1日では作業を完了することができません。継続した参加はもちろん、多くのボランティアの力を現地は必要としている、という声を各所で聞きました。
テントを設置し日陰を作り受付なども出入り口近くへ移動した(写真左)。バスの発着は箭田サテライト敷地内ではなく近くの駐車スペースを利用した。トランシーバーを使いサテライト本部と連絡を取る。現在信号は復旧している(写真右)。
行政機関の回復
この箭田サテライトのある真備町保険福祉会館の隣、真備支所では浸水被害がなかった2階部分でおおよそ1カ月ぶりに一部業務を再開していました。真備地区全域で水質検査の完了とともに7月末には断水が解除され、給水所は撤去され、物資配布(石灰や消毒液などに限る)の場所と変わっていました。職員の方々は交代で8月末までは休業日なく生活再建へ向けたの対応を行うということです。無料臨時バスの運行(一部列車の復旧待ちなどの理由から)もあり来所しやすくなっている一方、シャトルバスの時間は一日の本数が限られているためタクシーを利用している住民の方が多い印象を受けました。
シャトルバスは主要な避難所と真備支所を回る(写真左)。テント横には熱中症対策として冷房完備されている車を常備。電源車から電気の供給をしている(写真右)。
静かな住宅地
改めて7月に担当したエリアに入ってみると、地域によっては家屋の清掃作業を終えていることもあり留守宅が多かったですが、その中でも作業を続けている方にお話をうかがったり、ボランティアセンターが把握していない埋もれたニーズがないかなども確認してきました。
(写真左)閑散とした街の様子。(写真右)各地域の学校や公共施設に、災害ゴミが山のように積みあがっていた。家電製品、畳、箪笥など種類別に集積され、トラックで運ばれる。
支援情報から取り残される人々
今回偶然にも真備支所に来所していた日本で働く外国人に会いました。元々は箭田地区に住む方々で今回の水害で被災されていました。ただ日本を理解することが難しかったため(母国語と英語は普段使っている)、小田川の決壊が起こった夜は仕事に出ていたそうです。偶然にも命は助かりましたが、仕事に持っていった在留カードやパスポート、通帳、携帯など以外の貴重品や家財道具はすべて浸水してしまったそうです。
詳しく話をうかがうと、「防災無線は何を言っているのか分からなかった。きっとあれが避難勧告だったのだと今は思う。」「総社市(倉敷市の隣)にアパートを借りられたがすべてを失った」「倉敷市から封筒が届いたので急いでここに(真備支所)に来たが何の手続きをしているのか日本で分からない」と、まだ日本に来て間もないため日本をしっかり理解することが難しく、情報を得ることができなく困っていました。
真備支所では、日本の記入が必要となる被災証明、り災証明、被災者生活再建支援制度の申し込みなどの手続きをお手伝いました。倉敷市市役所には国際課があり英語での対応が可能です。
偶然にも居合わせたからよかったものの、こうして情報から取り残される人々は見えないところに多くいることが分かりました。ほかにも、インターネットへのアクセスがない、テレビ・ラジオがない、車がないから外出もできないなどさまざまな事情から平等に受け取れる情報が限られてしまうことが、災害の混乱ではより顕著にでてしまうと改めて痛感しました。
明日も引き続き、箭田サテライトの運営に関わります。
<スケジュール(予定)>
8月10~12日 各サテライトや避難所の運営状況確認・箭田サテライト運営補助
8月13~15日 サテライトお盆休み期間、ニーズ現地調査・本部での地図の作成・ニーズ表の整理
8月16~20日 箭田サテライトでの運営再開
これまでの動き
・2018年8月10日活動状況(2018年8月13日)
・職員を岡山県へ再び派遣します(2018年8月8日)
・ネパール現地パートナー・RRNからの応援メッセージ(2018年7月17日)
・2018年7月14日・15日最新情報(2018年7月16日)
・2018年7月13日最新情報(2018年7月14日)
・2018年7月12日最新情報(2018年7月13日)
・7/21(土)「西日本豪雨 緊急救援活動」報告会開催決定(2018年7月11日)
・小松事務局長、長瀬職員が現地に向け出発へ(2018年7月11日)
・大雨による被害に遭われたみなさまへお見舞い申し上げます(2018年7月7日)
シャプラニールでは下記の通り救援活動資金を募っています。
皆さまからの温かいご支援、ご寄付をぜひお寄せください。
※当会へのご寄附は税の優遇措置(寄附金控除)の対象となります。