「福島県いわき市で1日からできる復旧ボランティア」の活動4日目(11/25日)の番外編。スタッフの長瀬です。今日でいわきに来て5日目。災害ボランティアセンターの活動の裏で、炊き出しボランティアグループといわき在住の外国にルーツを持つ方々の活躍を応援してきました。人々の温かさに触れた一日となりました。
▼ 本場ベトナムの味を届けたい!
本日は昨日よりもどしゃぶりの雨。そんな中でもボランティアグループによる「ベトナム炉売り炊き出し」「紙芝居上演」「バルーンアート」+物資配布が「あかい幼稚園」で開かれました。料理を提供したのは、ボランティアは関東地域に住むベトナム人の方々、総勢20名程。いわきの被災状況を知って「何かできないか」から始まった企画だそうです。朝4時にバスに乗りはるばるいわき市に来られたそうです。そして、シャプラニールへ宿舎を提供いただいている、菩提院の副住職霜村さんとご友人の方々は朝も早い7時半準備を開始されていました。
今回のメニューは、4時間じっくりと出汁を取った鶏肉のフォー、揚げ春巻き、ベトナムコーヒー!本場の味が食べられると近所の方々が次々と集まりました。「こんな寒い日には温かいフォーは寒くなった体に沁みるね。」「春巻きのお代わりがほしい!」とお昼に来た方々はみんな大満足で帰られました。
集まったご近所同士では「やっとり災証明がでて安心した」「雨だとまた家がしけっちゃう」など、美味しいごはんを楽しむ中でも生活の話が中心となっていました。この赤井地域は夏井川の決壊もあり広域に床上1メートル以上の甚大に被害が出た地域です。家財撤去が終わって泥のかき出しが終わっても、家屋の損傷の度合いによって出るり災証明はまだ順番待ちだったり、室内の乾燥が雨続きの天気で完了できなく、まだ次の作業(リフォーム/取り壊し等)を決めることができない方もいます。
なお、現在も赤井公民館(いわき市平赤井字田町24-5)には「いわき市災害対策本部平地区本部」が設置されており、り災証明の発行手続き、支援物資(日によって異なりますが、軍手、ブリーチ剤、衣料品など)の配布、高圧洗浄や車・軽トラ(カーシェアリング)のサービスが被災者が受けられるようになっています。詳しくはコチラをご覧ください。
▼ いわきの魅力、感謝の気持ちを伝えたい!
「第18回いわき地球市民フェスティバル」では外国にルーツを持つ市民によるスピーチコンテストが行われました。日本語のスキルではなく話す内容を審査員と来場者が投票する形式さで審査されました。開催場所はシャプラニールの「みんなでいわきツアー」でお馴染みの湯本駅近くにある「古滝屋」さんです。
このイベントは国際色豊かな方々が「いわきに住んで思うこと」を参加者のみなさんが日本語で語ります。これまでたくさん苦労したこと(特に日本語を学ぶ中では漢字!)もある中で、今の生活環境にとても感謝している、と情熱的に話されていました。
印象に残ったスピーチ題材は「近所付き合い」について。とあるベトナム出身の方は、日本にはベトナムのような”ご近所付き合いが無い”とのこと。いつでも気軽にお茶や話をできる関係があるベトナム人文化を知っている方からとすると、日本の社会を希薄と感じ、こちらから挨拶をしても無視されてしまうことが哀しいといいます。(炊き出しグループの方が被災者に想いと寄せた企画を実施したこともここで納得)
確かに自問してみると挨拶するような関係であっても、ご近所ぐるみで関わることはほとんどないです。他のネパール出身参加者は、誰にも看取られずに亡くなったことを知り本当にショックだったと言いました。彼の出身の村では家族も多く高齢者が一人で暮らすことは珍しいような社会。一方の日本では核家族や一人暮らしが多いのに近所付き合いも無く、いざとなったときに困るのはないかと心配の声がありました。
日本で暮らすのは短い期間であっても、外国にルーツを持っていても、同じ地域にする一市民として、しっかりと社会に目を向けているということ。しっかりと自分の意見を持ちながら、積極的に日本の暮らしを理解することで、心地よい生活環境を創り出す努力をされていました。日頃からの「心の支え」があることは、安心した生活を送ることにもつながります。自分のことで手一杯になる時もあります、でも挨拶のような声かけが、地域の安全性を高めることにもなりそうです。お互いに興味を持つことも大切ですね。当たり前だけどなかなか難しいと思いますが心がけて行動しようと思いました。