路上の母親 子どもはぐったりしている (写真はジュマ・ネット提供)

路上の母親 子どもはぐったりしている (写真はジュマ・ネット提供)

ミャンマーからバングラデシュに難民として流入しているロヒンギャの数は40万人を超えました。取るものも取りあえず、ほぼ着の身着のまま国境を越え、竹とビニールシートを組み合わせた仮設テントで日々を過ごす人々の窮状は日本でも連日大きく報道されていますが、シャプラニールでも支援活動に取り組むことを決定しました。

今回のロヒンギャ難民の問題は非常に複雑な問題ではありますが、難民と化した人々の数がかつてないほど膨大になっていること、それに対し支援の手がほとんど届いていないことを鑑み、人道的見地から、シャプラニールとしても緊急救援に乗り出すことを判断しました。現地で支援活動を始めている団体をパートナーとして、物資配布などの活動を行います。
まず、日本のNGOでバングラデシュの先住民族の問題に取り組んでいる「ジュマ・ネット」が現地のNGOと協働して行っている活動へ資金を提供します。その内容は以下の通りです。

■活動対象地域:
バングラデシュ・コックスバザール県、ウキア郡とクトゥパロン郡にある非登録キャンプの約8,000世帯を対象に、食糧配給を実施する
■配賦物資:乾燥米、ビスケット、砂糖、塩、水、医薬品
※シャプラニールから提供される資金はこの活動の一部に使われます。

ジュマ・ネットのメンバーが、9月上旬から中旬にかけて現地を訪問し、現状調査を行ってきました。その報告によると、ロヒンギャ難民に対する組織的な支援活動はほとんど行われておらず、住居はもちろん、食糧や医療サービスなど、基本的なニーズが全く満たされていない状況です。そして多くの人が「家族や親せきが殺された」「逃げる途中で家族が離れ離れになってしまった」と語っています。

シャプラニールでは、現地の状況を把握し今後の活動の可能性を検討するために、来週からバングラデシュへ事務局次長・藤﨑文子を派遣します。現地からの報告は随時みなさまへお伝えしたいと思います。

自分で勝手に非常用テントを建てる (写真はジュマ・ネット提供)

自分で勝手に非常用テントを建てる(写真はジュマ・ネット提供)

残り少ない食料を調理する(写真はジュマ・ネット提供)

残り少ない食料を調理する(写真はジュマ・ネット提供)