シャプラニールは現在、9月下旬の物資配給支援(10月15日に完了)、10月上旬から進行中のクトゥパロン難民とバルカリ難民キャンプの2つの難民キャンプでの物資配布(現在進行中)に続き、モイナールゴナ難民キャンプでさらなる支援に向けて動いていますが、この度支援計画が決定したので報告いたします。
シャプラニールは9月27日から10月6日にかけて藤﨑職員を派遣し、コックスバザールの公式、非公式の難民キャンプの状況、政府や国際機関、NGOなどによる支援状況等の情報収集を行ってきました。その結果、難民の中で女性、子ども、乳幼児が多いこと、また高齢女性や妊娠中や出産後の女性、乳幼児など配慮を必要とする人たちにとって厳しい栄養状態、衛生環境であることが分かっています。
また、難民が生活するコックスバザールは山と海に挟まれた地形のため10月下旬から気温が下がり始め、冬は霧が出やすい地域です。難民キャンプはコックスバザールの中でも丘陵部に設置されるため、とりわけ気温が下がることが懸念されます。
不十分な住環境、トイレ等の衛生環境、栄養状態におかれたロヒンギャの人々が、今後寒さによる風邪、熱、インフルエンザ、耳炎、呼吸器感染症等の病気に罹患する危険性が高まります。
※なお、バングラデシュ政府はロヒンギャの人々を「難民」とは認めておらず、移住につながる中長期的な支援は現在認めていません。
高齢者、妊婦、授乳中の女性、乳幼児といった免疫力が弱まっている人々のリスクは特に高いため、就寝時や日中に寒さから身を守る毛布を配布することを決定しました。
詳細については以下の通りです。
対象地域:コックスバザール県ウキア郡モイナールゴナ難民キャンプ
モイナールゴナ難民キャンプは8月下旬以降の新規流入者が仮設シェルターを作っている新しいキャンプで、推定16,000世帯が生活している(10月5日現在、YPSAスタッフ談)。
対象者と活動内容:上記活動地の高齢女性、授乳中の女性がいるロヒンギャ難民1636世帯に対して毛布を配布
活動パートナー団体:YPSA(イプシャ、Young Power in Social Action)
1985年に設立されたチッタゴンを拠点とするNGO。多様な社会的課題の解決を目指し活動している団体で、当会とは2010年から2015年の5年間、バングラデシュのチッタゴンで家事使用人として働く少女への支援事業を行っていました。YPSAは難民の大量流入が始まった後、いち早く現地にかけつけ、ロヒンギャ難民支援を開始しており、現場にも精通しています。
現在日本のメディアではロヒンギャ難民に関する報道が減り、問題への関心が薄れているように感じます。ぜひ関心を持っていただき、情報のシェア、募金へのご支援をお願いいたします。