バングラデシュでは長年政権を握ってきたシェイク・ハシナ首相が辞任して国外へ脱出し、暫定政府が樹立される動きとなり、政情を注視する必要がある状況です。

7月後半から、公務員の特別採用枠(※1)に反対する、学生を中心とした抗議活動が治安当局等との大規模な衝突に拡大し、多くの死傷者が出ました。外出禁止令やインターネットの制限などが取られましたが、8月に入り、ハシナ首相および現政権の辞任を求める動きが全国に広がりました。8月4日には全国各地で衝突が起き、90名以上が死亡したと伝えられています。昨日8月5日には抗議する人々が首都ダッカへ集まる「ダッカへの行進」が呼びかけられ、全国各地から多くの人々が押し寄せました。また、シェイク・ハシナ首相が辞任してインドへ脱出したことが伝えられ、軍部が暫定政府を樹立することを宣言しました。学生リーダーたちも暫定政府案を自分たちが考え、提案すると発表しています。

現在は、インターネットが再開し、外出禁止令も解かれています。しかし、依然として今後の政情の先行きが不透明であることから、シャプラニールでは今後も引き続き現地事務所と緊密な連絡をとり、関係機関からの情報収集を継続し、駐在員および現地職員らの安全に最大限留意してまいります。

(※1)バングラデシュでは、1971年の独立戦争時に戦った「自由の戦士」と呼ばれる人々の家族に公務員の特別採用枠が割り当てられていましたが、2018年に政府がこの枠の廃止を決定。しかし、今年6月にこの決定は違憲であると高等裁判所が判断したことが抗議活動の発端です。

※現地の治安や安全方法についての詳しい情報は以下リンク先をご覧ください
外務省海外安全ホームページ バングラデシュ危険・スポット・広域情報
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(更新:2024年8月6日 日本時間18:00)


バングラデシュ地域研究を専門とする立教大学准教授の日下部尚徳氏をゲストに迎え、バングラデシュでの一連の出来事の背景からお話しします。バングラデシュからはシャプラニール=市民による海外協力の会・バングラデシュ事務所長の内山智子が登壇し、現地での様子をお伝えします。 

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