この春、地震防災に関するハンドブックを作成して学生たちに配布しました。学生たちは新しいハンドブックをカバンに入れておいて、家で家族と学校で友達とそのカラフルな図など一緒に見て楽しんでいます。彼らは以前より災害に、特に地震について関心を持つようになっています。そう、彼らは2015年の大地震の大変な経験を覚えていて、ハンドブックを見ながら防災の知識と地震に対する備えの重要性を認識しているのです。

私たちの「地域で命を救う、地震防災プロジェクト」は2016年11月から始まっていますが、若者と子どもを対象とした、大切な防災教育の活動は2019年5月から始まりました。カトマンズ市とラリトプール市の中の5区にある9校(8つの公立学校、1つの私立学校)の6-8年生(日本の小学6年生から中学2年生)までが対象です。学校は、毎週金曜日に算数や英語といった授業の他に、生徒の関心に応じて特別授業を行っています。たいてい男子はスポーツ、女子は音楽やダンスに興味がありますが、自分の生活や今後の人生に関わる重要な社会的事柄もこの特別授業では教えています。

ネパールでは2015年の地震の後に学校が防災の重要性について気付き学生たちに教え始めたので、このようなハンドブックはまだまだ新しく、先生が生徒に教えるのに役立っていると言えます。学校では、独自にゲームや動画を見せるといったアクティビティを織り交ぜながら防災の意識啓発に取り組んでいますが、今はこのハンドブックを拠り所にもすることができています。このハンドブックを使っている教師たちはハンドブックを作る段階にも関わっていろいろとフィードバックや提案をくれ、それらがハンドブックにも活かされています。

ハンドブックは次のような構成になっています。

1. 地震と安全(地震の仕組み、その原因と影響)

2. 地震の備え

3. 地震が来る前にすべきこと、できること

4. 地震が来た時どうするか

5. 地震被害を減らすために(建物の耐震性を高める以外にできること)

このハンドブックは今、事業地域の9校だけで使われていますが、私の娘の学校やシャプラニールとつながりのある学校にも配布することで、より多くのところで使われて欲しいと思います。また、カトマンズ市では防災を1つの科目にしようという話もうわさで聞きました。いつ実現するか分かりませんが、未来のためにそうなるよう後押ししたいと思います。

ネパール事務所 プログラムオフィサー スリジャナ・シュレスタ

ハンドブック完成前の検討ワークショップでの教師たち

ハンドブック完成前の検討ワークショップでの教師たち

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ネパール大地震復興・防災支援