昨年に引き続き、本年も家事使用人の少女たちについてのことや児童労働に関する意識啓発を目的としたラジオの放送を計画しています。(昨年の取り組み)
バングラデシュ全国でコミュティラジオ6局とFMラジオ1局、計7カ所での放送が予定されており、各局スタッフが真剣に番組制作に取り組んでいます。
放送に先立ち、2017年度に放送に協力してくれたラジオ局6局を集め、より良い番組作りのための経験協共有会議を5月14日に行いました。
●各局が制作した番組内容 ●それに対するリスナーの反応 ●より大きな反響を得るためのアイデア について議論がなされました。
<思いがけない反響が>
バングラデシュ北西部クリグラム県にあるラジオ・チルマリでは昨年、子どもたちと医療にかかわる番組を放送しました。番組内容は家事使用人の子どもたちが病気やケガをした際、雇用主がどんな対応をしているか、というもの。番組終了後、郡病院で働く医師から電話がありました。
「自分は家事使用人として働く子どもをこれまで診察したことがありません。村医者や民間療法の手当てで済ませているのではないでしょうか」というご指摘でした。
これに対し会議では様々な意見が上がりました。農村部にもコミュニティ・クリニックや郡病院、開業医などの医療機関はありますし、ケガや病気になった際、医者のところに行くことはそれほど珍しくはありません。それにもかかわらず、働く子どもたちが医者にかかっていないのは、「家事使用人として働く子どもの存在を隠したい」「治療にお金や時間をかけたくない」という気持ちが雇用主に働いて、医療機関へ連れて行かないのではないか……この議論により、医療の啓発の重要性を確認し、2018年度は全ての局でこのテーマを取り上げることが決定しました。会議で出た意見や反省を活かし、番組内容がより多くのリスナーの心に響くものになるよう、放送日に向け各ラジオ局が取り組みを進めていきます。
ニーナ・シャムスン・ナハル(シャプラニール バングラデシュ事務所アドボカシー・オフィサー)