バングラデシュで初等教育支援事業を開始しました
感染拡大が続いている状況ではありますが、シャプラニールは3月よりバングラデシュで新たな教育支援事業を開始しました。
シャプラニールはこれまでノルシンディ県、ディナジプール県の2つの地域で教育支援事業を実施してきました。この2つの事業の共通点は、初等教育から取り残されやすい子ども達を対象としていたことです。ノルシンディ県では人の往来しづらい中洲地帯の子ども達、ディナジプール県では先住民の子ども達を対象に、就学率の向上を目的とした活動を繰り広げていました(詳しくは、先住民の子どもたちの文化教育支援と中洲(チョール)における児童教育支援をご参照ください)。
今回の新しい事業では、この2つの事業の経験を活かして、バングラデシュのすべての子どもたちが等しく継続的に初等教育を受けられるようになることを目指した活動を行います。これまで活動を実施してきたノルシンディ県とディナジプール県での活動を展開する他、地域間の経験交流を通じて相互の学び合いを促し、効果を拡大していきます。さらにに、首都ダッカを拠点に、中央政府や地方行政に初等教育から取り残されている子どもたちの現状を知ってもらい、行動を起こしてもらうことを目的としたアドボカシー活動を実施します。
具体的な活動内容は、以下の通りです。
- 学校に対する取り組み
- 地域住民に対する取り組み
- 地方行政・ボランティア・メディアに対する取り組み
- グッドプラクティスの共有と持続性の担保へ向けた取り組み
現在COVID-19の影響により学校は閉鎖中ですが、事業スタッフは感染予防対策を万全にし、一部在宅勤務で業務を進めながら、学校再開に向けた準備活動を進めています。なお、本事業については、日本NGO連携無償資金協力による助成をいただき事業を実施しています。
感染拡大が続くバングラデシュの状況(6月11日時点)
バングラデシュのCOVID-19感染状況は、6月11日時点で累計感染者数が82万人に達し、累計死者数は13万人以上となりました。3月半ばから感染者が急激に増え、感染拡大が続いています。5月に入ってから感染状況は一時的に落ち着いたものの、5月後半からは新たに新規感染者数が増えており、6月11日時点で2,454人となりました。特にインド国境付近で感染状況が悪化しており、変異株も見つかっているため、人々の不安は高まっています。感染拡大を受け、4月5日から導入された行動制限は徐々に延長される形で現在も続いています。ダッカ市内では規制が一部緩和され、交通機関は50%稼働、店は制限付きで営業しています。一方で、陽性率の高い地域では厳格なロックダウンが適用されており、移動なども厳しく制限されています。
バングラデシュ事業担当 峯ヤエル