シャプラニールが現地パートナー団体のRRN(Rural Reconstruction Nepal)と協働して行っている洪水対策事業を視察するため、2018年12月に日本の洪水防災の技術専門家と一緒に、事業地のネパール南部チトワン郡を訪問してきました。本事業では、チトワン郡マディ市のバンダルムレ川流域で堤防や川横断用の通路等のインフラ敷設を進めると共に、河川流域の住民によって結成されたコミュニティ災害管理委員会を中心に住民の防災能力強化に取り組んでいます。
今回の視察では、バンダルムレ川の上流から下流まで3日間川沿いを歩き、事業2年目に設置したインフラの敷設状況と、これから工事予定のインフラ設置予定地の確認を行いました。また、現地滞在最終日にはRRNのスタッフとパートナー会議を実施し、日本の技術専門家より多々貴重なアドバイスを受けながら活発な意見交換がなされ、次年度インフラ計画の策定を行いました。
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バンダルムレ川流域の砂防ダム敷設予定地
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前年度に設置された堤防の様子
マディ市では、バンダルムレ川流域に設置したインフラを参考に、他の河川流域でも堤防等を建設する動きを見せており、行政が洪水対策の重要性を認識しつつあるといえます。持続的にインフラの維持管理を行い、洪水に強い地域づくりをするためには、地域住民だけでなく、このように行政との連携をより一層強化していく必要があります。事業3年目となる今年は、住民の能力強化と行政との連携に引き続き力を入れて事業を進めていく予定です。
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マディ市が他の河川で堤防を構築
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バンダルムレ川から見た夕暮れの風景
鈴木 香緒理(東京事務所・海外活動グループ)