シャプラニールはネパールにて、パートナー団体RRNとともに洪水が多い地域での防災支援を継続しています。2022年2月からプロジェクトは3年目に入りました。

5月に東京事務所の菅野職員が専門家とともに事業地チトワン郡マディ市を訪問しました。COVID-19の影響でこれまで専門家からはオンラインで事業地の様子を見てアドバイスをもらっていたため、専門家が直接事業地を視察するのはプロジェクトが始まって以来初めてのことでした。

事業地、ラクタニ川へ!

プロジェクトを実施しているラクタニ川流域を上流から下流まで3日間かけて視察し、1年目と2年目に設置したインフラの現在の様子と、建設中のインフラの設置状況の確認を行いました。例えば、2年目に設置したチェックダム(砂防ダム)が機能していることが確認できました。大雨で流れてきた土砂がせき止められ、下流に流れ出るのを防げていることがわかります。

2年目に設置したインフラの様子
奥に見えるダムで土砂をせき止めています

3年目の工事も順調に進んでいますが、一緒に視察を行った専門家からは「いちばんこわいのは、インフラを作ることで、もう大丈夫と安心してしまうこと」との発言がありました。改めて、堤防や護岸などのインフラのように目に見えるモノを作るような対策(ハード面)と、避難訓練のように防災意識を高める取り組みや、災害時に協力し合う体制づくり(ソフト面)両方の重要性を再確認しました。

ハード面の支援だけではなく、ソフト面の支援を進めることで、命や住み慣れた土地、家など大切なものを守ることができるよう、引き続き両面から支援を行っていきます。

専門家がインフラの設置状況を確認しています
専門家によるインフラのチェック

災害への備えをわかりやすく

ソフト面の支援として、12月のブログでご紹介したポスターの他にカレンダーも作成しました。カレンダーには洪水発生時のリスクを削減するために、コミュニティでどのようなことに取り組んだら良いかイラストで描かれています。今回のモニタリング時には、コミュニティ災害管理委員会のメンバーが自宅に設置してあるカレンダーを見せてくれました。「非常用持ち出し袋」のページでは、「雨期が始まる前に、薬や非常食、土地権利書などの大事な書類を、非常用持ち出し袋にまとめて、洪水発生時に備えるのよ」と、カレンダー配布時に実施したオリエンテーションで学んだことを説明してくれました。

カレンダーに書かれている内容を説明するコミュニティ災害管理委員会の女性
カレンダーについて説明してくれました
非常持ち出し袋に入れるものが描いてあります
災害発生時や、被害にあった後の行動についても説明されています


現地の様子を定期的に更新いたします。今後とも活動の応援どうぞよろしくお願いいたします。

海外活動グループ/ネパール事業担当 横田