3年に渡って行ってきたチトワン・マディ市のラクタニ川での洪水防災事業が本年2023年2月に終了します。1月10 日、マディ市で洪水防災事業で設置した堤防、ダム、排水路等インフラの地元行政への引き渡し式を行いました。

このプロジェクトでは、One River One Community (一つの河川、一つのコミュニティ)をスローガンに掲げ、上流から下流まで洪水対策の各種インフラ(堤防・河川横断道路など)を構築し、河川流域に住む住民たちが連携して災害に対応できるコミュニティづくりに取り組み、洪水被害の軽減を目指しました。昨年は洪水による死者ゼロとなり、大きな物的被害は発生しませんでした。

完成した堤防のインフラの様子

式典には、バグマティ州議会幹部、マディ市長はじめ行政関係者、地域住民の方々、プロジェクト関係者など約100名が出席。在ネパール日本国大使からもお祝いのメッセージを頂きました。また、出席者で完成したインフラ設備を見て回りながら、プロジェクトのこれまでの苦難の道のりと成果をご説明しました。

事業について説明する職員のキル(右端)
記念モニュメントの開幕
インフラ設備の地元行政への引き渡し(右:ネパール事務所長 竹下)

バグマティ州議会幹部からは、「このプロジェクトのコンセプトと実施内容はチトワンで大きな成果を上げただけでなく、ネパール全土で必要とされるもので、行政として責任を持って普及させていきたい」と力強いスピーチを頂きました。

これまで洪水で家族を亡くしたこともある住民の方からは、「このプロジェクトで皆が安心して生活できるようになった。安心がこんなにありがたいものとは思わなかった。安心をくれたプロジェクト関係者にお礼を言いたい」とスピーチを頂きました。

バグマティ州議会幹部のThakur氏のスピーチ
マディ市長のMahoto氏のスピーチ
住民代表のTamang氏のスピーチ

パートナー団体とともにシャプラニール一同力を尽くしてきたので、この日を迎えることができ、感無量です。プロジェクトで培った経験を次の事業に活かし、これからも取り残された方々の声に耳を傾けていきます。

ネパール事務所長 竹下のスピーチ
会場には多くの人々が集いました

式典については、在ネパール日本大使館からもプレスリリース頂きました。こちらからご覧ください。(英語)