ネパール・コシ州ウルラバリ市で推進している洪水防災事業では、一年次の防災インフラ工事を順調に完了することができました。一年次は、工事開始前に現地調査を入念に行い、行政と地元コミュニティの人たちとの対話を重ねて、より強く安全なインフラの設計を行い、工事に着手しました。昨年2023年11月には、日本から防災インフラの専門家から現地踏査に基づくアドバイスを頂き、設計に反映してきました。

工事前の現地調査の様子
日本の防災インフラの専門家の現地踏査とアドバイス
インフラ工事の様子

こちらの写真にあるように、洪水の影響をダイレクトに受ける近隣の家屋や田畑といった人々の生活にとって大切なものを守れるように、堤防や蛇篭といった工事を行っています。学校への通学路や橋といった生活の基礎となるものに洪水が発生しても最大限影響を防げるような設計をしています。

①工事前の河川の様子
上記写真①と同じ場所の工事後の様子(近隣家屋を洪水から守れるよう堤防を設置)
②工事前の河川の様子
上記写真②と同じ場所の工事後の様子(蛇籠・堤防によって橋とその周辺を洪水被害を軽減)
③工事前の河川の様子
上記写真③と同じ場所の工事後の様子(右手には学校がある)

二年次には、これらインフラ工事をプロジェクト地域の河川でさらに範囲を広げて実施します。その際にも、行政と地元コミュニティの人たちとの対話を重ね、将来プロジェクトが終了した後も人々の防災意識やインフラが持続可能なものとなるように配慮していきたいと思います。

行政と地元住民との集合写真

ネパール事務所長 竹下裕司