郡の行政担当官とSMCのオリエンテーション

郡の行政担当官とSMCのオリエンテーション


2015年7月にこのプロジェクトが始まってから、学校教師、保護者、学校運営委員会(SMC)、行政担当者など、PAPRIとそれぞれのステークホルダーとの間で信頼関係を構築することに留意していましたが、2016年の夏以降、PAPRIが媒体になってステークホルダー同士の関係構築を行うようになっています。

例えば、SMCと行政担当者との関係構築。活動地であるパラトリ・チョール(中洲)には12のSMCがありますが、郡の教育担当官から呼びかけを行う形で、各SMCから1名ずつ合計12名に集まってもらい、本事業やSMCの役割に関するオリエンテーションを行いました。SMCの定例会議は基本的に毎月1回開かれることになっているのですが、PAPRIが声をかけなくても自主的に会議を開催するSMCが現れ始めています。その後、教員不足に悩む2つの学校から要請を受けて、郡の教育担当官が視察に訪れました。その結果、1校では6ヶ月間不在だった補助教員を、もう1校では正規教員を派遣することが担当官から約束されました。

あるいはSMCとSMCの経験交流。PAPRIは2013~2015年度にかけて、児童の就学支援プロジェクトを行っていたパラトリ・チョールのSMCメンバーとの間で経験交流を行いました。以前の活動地ではSMCが既に活性化されていることから、パラトリ・チョールのSMCメンバーにとって良いお手本になると考えられました。

経験交流では、生徒の進級率を向上させ落第率を下げる方法、早婚防止のための取り組みや、行政から必要な支援を引き出す方法など、さまざまな角度から意見交換がなされました。意見交換の内容は、経験交流に参加したSMCメンバーから、それぞれが所属するSMCの残りのメンバーに共有されました。現在各SMCでは、体育大会や卒業生とのお別れ会、SMCの予算で成績優秀者に賞状や景品を贈呈するなど、様々な方法で教育環境の改善に取り組んでいます。

モハマド・ナジム・ウッディン(プロジェクト・マネージャー、PAPRI)