小学校に通う子どもたち
児童教育支援活動に関する、私たちの経験をご紹介したいと思います。シャプラニールは、ベンガル語でチョールと呼ばれる大きな中州で、子どもたちの教育支援を行っています。チョールにおける公立小学校への入学率は、1 年生で70~80%。このうち、およそ10%は1 年以内に学校に通うのをやめてしまいます(ドロップアウトと呼びます)。すべての学校に、日本の教育委員会とPTA の機能をあわせ持ったような学校運営委員会が設置されていますが、そのメンバーは自分の役割や責任に無自覚です。また、地域住民や保護者も子どもの教育にあまり関心がありません。
でも、私たちは最近、嬉しい変化を目にすることができました。学校運営委員はもちろん、地域住民や保護者の意識が変わり、就学年齢に達した子ども全員を学校に入れようとして、ドロップアウトした子どものいる家庭を訪問したり、再入学手続きを手助けするようになったのです。学校の授業の様子はもちろん、教師の勤務状況を確認したり、子どもの通学を助けるための寄付をする例も見られるようになりました。子どもたちはいま、学校で勉強や遊びを楽しんでいます。こうした変化は、本当に嬉しいことです。
ただし、この変化は私たちが活動している村だけでのものです。同じチョールの中でも、私たちが活動していない地域では、こうした変化は見られません。私たちの経験を他の地域にも広げていくことが必要なのです。
先日、バングラデシュで広く読まれているベンガル語の新聞に、「チョールにある公立小学校は適切に機能していない」という趣旨の大きな報道もありました。私たちが、どのようにして地域の人々を変えたかということを、多くの人々に伝えていきたいと思います。
サイフル・イスラム(プログラム・コーディネーター)