ネパールのマクワンプール郡マナハリ村で実施中の児童労働削減事業では、児童労働に陥る可能性の高い子どもたち / 働く子どもたちへの個別支援を行っています。

個別支援を3月に開始し、まず緊急度の高い食料支援を実施しました。続いて、入学・進級の時期である6月から7月にかけて子どもたちが安心して学校に通えるように学用品や学費の支援を行いました。

学用品を受け取る少女
通学カバンや文房具を支援しました

貧困は子どもが児童労働に陥ってしまう大きな要因ですが、家計が厳しい状態になってしまう背景は、ひとり親や子どもの人数が多いことなどの家族構成の問題、病気やけが、アルコール依存症などの保護者の心身の健康上の問題、民族やカーストの問題など、家庭によって異なっているうえ、複数の問題を抱えている場合もあります。

家庭訪問の際には、保護者に児童労働によるリスクや子どもを学校に通わせることの重要性を話し、生活への不安や子育ての悩みなどを聞いています。そこで浮かび上がってきたのは、子どもだけではなく家族にも支援が必要であるということです。保護者の抱える問題は子どもに影響してしまいます。保護者の抱えている問題を解決しなければ、保護者は子どもを働きに出すという選択をせざるを得なくなるかもしれません。

嬉しそうに提供されたミシンを踏むお母さん

シャプラニールでは、個別支援の一環として保護者への生計向上支援やカウンセリング等も実施しています。収入向上のためミシンを提供した家庭では、洋裁の仕事をした収入でさらに新しい布や糸などの材料を購入することができたそうです。現在、彼女はさらに服を縫いビジネスを拡大するための準備しています。

子どもが働かない社会をつくるためには、子どもたちへの支援だけではなく、家庭や社会を変える働きかけが必要です。個別支援という方法で家族を支えることで地道に取り組んでいきます。

海外活動グループ/ネパール事業担当 横田 好美