バングラデシュの地方行政に設置される 防災委員会の能力強化を通じて、県、郡、ユニオンそれぞれの行政レベルでの防災委員会とその他の防災関連組織の活性化を促し、地域防災能力を高めます。教育行政の協力を得て学校での防災教育を実施、各世帯レベルでの防災知識の定着を図るため、地域状況の把握に基づいた防災計画に沿った防災・減災行動で、三助(自助・共助・公助)の連携を強める支援を行います。
>>実施事業 『バングラデシュのサイクロンが多い地域での防災支援』
2019年に続き、今年も学生を対象とした「防災フェア2020」を開催しました。このイベントは神戸の「ぼうさい甲子園」をヒントにバングラデシュ版としてアレンジしたものです。 ※開催は2020年3月初旬に行われました。
この事業では、バゲルハット県にある2つの郡にある59の学校と宗教学校で防災教育を実施しています。防災について教室で学ぶだけではなく、自分の家や近所の人たちへの防災知識を伝えたり、災害発生時には避難を促したりするなど実際に防災活動を行っています。
この「防災フェア」には、この1年良い防災活動を行った8校、防災メッセージを伝えるステージパフォーマンス12校、を事前に選考し、選ばれた合計20校180名の生徒が会場で発表をしました。また、選考されなかった学校の生徒たちや会場周辺の学校の先生や生徒、大学生や医者、行政官、様々な人たちが会場を訪れ、約500人が参加する大きなイベントとなりました。
発表した生徒たちは、自分たちの活動について自信をもって堂々と発表しました。その姿を見た大人たちは、子どもたちにこんなことができるのかと、みな一様に驚いていました。
このイベントの成功は、バゲルハット県知事や記者クラブがこのイベントを全面的に協力してくれたことも大きな要因です。県は会場の無料提供のみならず、県防災委員会と教育省はイベントのすべての企画の運営側として参加をしました。このイベントは多くのメディアに取り上げられたこともあり、県知事はこのイベントの成功を喜び、防災活動を地域行政とNGOが一緒に行っていくことの意義に大きな関心を寄せています。今後もバゲルハットのために一緒にやっていこうと話をしています。
地域行政とNGO、そして生徒たちが一緒に実施する防災イベントは、おそらくバングラデシュでは初めてのことです。今後も、日本の防災知識や経験を参考に作り上げた、生徒、地域行政、学校、様々な人たちと共に防災知識を高める活動を行い、災害に負けない地域づくりをしていきます。
モハマド・アニスザマン
プログラム・オフィサー、シャプラニールバングラデシュ事務所
会報「南の風」288号掲載(2020年6月発行)
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