2024年10月12日(土)、朝11時、学校の教室はたくさんの人であふれかえっていました。今日、フェニ県ポシュラム郡ミルジャナゴール・ユニオンのスバル・バザール村で緊急救援物資を受け取る予定の人たちです。

まずは、200名近くいるみなさんに対して、簡単なオリエンテーションを行いました。土泥が流れ込んでしまうなどした井戸の水や川の水を使っている人も多いため配布する水浄化タブレットの使い方や消費期限内に食品は食べるようになど、今日配布する物資の説明をしていきました。

部屋の奥の方まで声が届くように
皆さんとともに私たちはいる、との言葉に会場からは暖かな拍手

今日の受け取り予定者には、事前に被災状況や経済状況などを確認して決めた方々に事前に配布カードを渡してあります。オリエンテーションの合間には、そのカードとこちら側の配布者リストの照合をしていきました。

地域の若い職員たちが配布カードとリストの突合せをしていく

そして、配布は始まったのは11時半頃。一人ずつ名前を呼んで渡していきますが、改めて、配布カードに登録されている人と受け取りに来ている人が同一人物かの確認をしました。障害や当日の都合で家族の他の人が来ている場合は、本人に電話をするなどして必要な人に物資が適切に届くように努めました。

名前、顔、携帯番号などを確認
3輪自動車に近所の人と乗り合わせて自宅に持って帰る人も多い

配布が完了したのは、午後14時過ぎでした。この場で受け取れたのが266名、当日の都合が合わずに受け取りに来られなかったため後日渡すことになったのが8名でした。

その後、受け取った方の自宅へ伺うと、その集落全体が大量の水に襲われたことがわかりました。ナズマさんは、夜中に家の中に浸水してきた水がどんどん高くなっていき、逃げようとした時に息子が流されてしまって近所の男性に何とか助けてもらった、と言います。家の中のものはほとんどが流されてしまい、後から拾ってきたり、買い足しをしたりしていますが、夫が日雇いで働いていた農地も洪水で砂に覆われてしまったため仕事を失い、収入が絶たれた状態です。今回、受け取った食料で、家族6名で2~1カ月程度の食費がまかなえそうそのことです。

受け取ったお皿がうれしい息子とナズマさん
受け取った物資を並べて見せてくれた人も

今回、被災した集落で話を聞く中で、息子や夫が働きに都市部や海外に出てしまっており、洪水時に女性、子どもだけ、または高齢者だけがいたケースが多いことが印象的でした。

※本緊急救援活動は、NPO法人ジャパン・プラットフォームの助成および、シャプラニールが実施するクラウドファンディングをはじめ皆さまからのご寄付によって実施されます。 


事業推進グループ 勝井裕美