10月13日、フェニ県ポシュラム郡チトリア・ユニオンにおいて緊急救援物資の配布を行いました。この日は被災した442世帯の皆さんが、物資を受け取りに配布場所となっているマドラサ(イスラム神学校)に集まりました。このマドラサは洪水発生時に避難所として使用されていた場所です。

校舎前の広場で物資を受け取ります

配布に携わるスタッフたちは朝7時頃から準備を開始。前日の配布会場からのフィードバックを生かし、よりスムーズに受け渡しができるように動線を工夫して配布に臨みました。

本人確認の用紙を子どもが破ってしまったというハプニングも。なんとか繋ぎ合わせて確認がとれました

この日は11時から配布が始まりました。受け取りに来た方々の中には、足に障害があったり、高齢だったりと、一人で物資を運ぶのが難しい人もいます。若いスタッフたちが積極的に、こうした方々の荷運びを手助けしていた姿が印象的でした。

「おばあちゃん、運ぶのは任せて!」と荷物をかつぐ若手スタッフ

14時過ぎには会場に集まっていた全世帯への配布が完了しました。物資を受け取った方からは「この地域にはほとんど支援が入らなかったので、本当に嬉しいです」との声も聞くことができました。また洪水のあとに水質が変わってしまった井戸もあり、配布物資に入っている水浄化タブレットが不可欠な家庭も多いようです。

この日の配布は終了。若者たちの活躍が欠かせない

配布の後には、洪水で氾濫を起こした河川のひとつであるムフリ川の上流部に状況確認のため訪問しました。ムフリ川はインドからフェニ県北東部に流れ入り、県を縦断するように流れる河川です。上流部では一部がインドとの国境にもなっています。

浸食により崖のようになっているムフリ川の河岸。写真奥から手前に流れている。対岸はインド・トリプラ州

洪水以前は流量が少なく細い川だったそうですが、濁流によって川幅が大きく広がり深さも増していました。また水流によって河岸が大きく削られ、崖のようになってしまっています。これだけ大きくなった川の水が越水してきたことを想像するだけでも、住民の皆さんは本当に怖かっただろうと思います。

ムフリ川のすぐ横の集落の住民。「洪水の時は皆ですぐ裏のモスクに逃げた。少し高いところにあるのでなんとか流されなくて済んだよ」と語ってくれた

今回の支援が少しでも被災世帯の皆さんが生活を再建する足掛かりになることを願って。残る地域での物資配布も進めていきます。

※本緊急救援活動は、NPO法人ジャパン・プラットフォームの助成および、シャプラニールが実施するクラウドファンディングをはじめ皆さまからのご寄付によって実施されます。

コミュニケーショングループ 髙階悠輔