「児童労働は子どもを保護するだけでは解決しない」というのが私たちの考え方です。子どもを働きに出す親、子どもを雇うおとな、そして子どもを雇うのが当たり前という社会の意識を変えていかなければ児童労働は解決しません。ただ、私たちがバングラデシュの市民一人ひとりに児童労働について伝えていくことには限界があります。そこで、報道などを通じてより多くの市民へ伝えていくために、私たちの経験をバングラデシュ世論に対して影響力のあるジャーナリストやNGO 活動家などと共有するミーティングを開催しました。
このミーティングの様子は、新聞6 紙(インターネットのニュースサイト含む)とテレビ1局で紹介されています。そのひとつ、バングラデシュの英字紙「デイリー・オブザーバー」は、家事使用人として働く少女の約86%が身体的な暴力の犠牲者になっているという私たち独自の調査結果と合わせて、政策決定者や報道機関へ働きかけが必要であること、司法当局が役割を果たしておらず少女たちへの暴力が増加していることなど、話し合われた内容も掲載していました。このほかにも、参加したジャーナリストからシャプラニールの企画を取材した際に撮影した写真を無料で提供するという申し出や、自分が運営するウェブサイトの広告スペースを無料で提供するといった申し出もありました。
(国内活動グループ 石井大輔)