今年3月、当会が最初に緊急救援に入った北茨城市で救援物資の仕分けや配送を一緒に行ったNPO法人ウィラブ北茨城から届いた会報に「雇用促進住宅で市長と語る会が開催されます」というお知らせがありました。代表の高松さんが、避難者が多く入居している雇用促進住宅で活動を続けているという話は聞いていたのですが、わざわざ市長がそこへやってきて被災者と話し合う、ということに少し驚き、オブザーバーとして参加させてもらうことにしました。いわきでの活動にも何かしら参考になれば、と思ったからです。
「あすなろ村」と名付けられた集会所には、1時間も前から集会所運営委員会のメンバーを中心に、住民のみなさんが集まっていました。開始時間が近くなると、集会所はほぼ満員。椅子を全て並べても足りないほどの人が集まりました。
定刻に市長が到着。事前に提出されていた要望書を住民代表が読み上げ、それに対し市長が回答するという流れです。入居期限の延長、集会所管理および自助グループの活動への支援といった要望に対し、市長はユーモアを交えて丁寧に回答。すでに市が行っている対応を説明しながら、いずれについても精いっぱい努力すると約束しました。それを聞いて住民のみなさんはとても安心した様子でした。
最も印象的だったのは、住民自身が動き出していること。不平・不満を言うだけではなく、自分たちの力で何とかしようと、集会所の運営などに積極的に関わろうとするメンバーがいて、意見を交わしています。ウィラブ北茨城の高松さんが重要な役割を果たしていることは間違いないのですが、集会所に集まっているメンバーの生き生きとした表情から、当会の活動へのヒントを得た気がしました。
小松