朝からいわき市役所で避難所や避難者の数など最新情報を収集。24日救援物資を配布しないことが、物資不足のために、当日の朝決まりました。各避難所、公民館で在庫確認が目的のようです。
湯本温泉では、市営の入浴施設が一軒営業を開始。被災者の方に無料で解放しています。朝8:00から整理券を400枚配布。翌日以降も続けるとのことです
が、混み方などでどうなるか分からない様子です。そのほか、足湯を提供している温泉宿もあります。湯本温泉の湯量は減ってしまい、場所によっては湯が出な
くなったために、すでに廃業した宿もあります。
水道の復旧が遅れており、お風呂のニーズを非常に感じています。これは避難所の人に限りません。また、入浴施設が営業を再開しても車がないとそこまでいけ
る人は限られます。いわき市には市営の入浴施設は少なく、あっても入れる人数がすくないため、避難所の人たちのためにお風呂を提供するのはむずかしそうで
す。スパリゾートハワイアンズの営業再開の目処は立っていません。
江名小学校で、築地本願寺のボランティアさんとともに炊き出しを行いました。避難所にいる人や近隣の人、先生たち、約250人に配布。その後、江名中学校へ持って行ってもらいました。合計400~500食となりました。
毎日おにぎりやパンが続いている避難所にいる人にとって、野菜などの具がたっぷりの、あたたかい豚汁をお腹いっぱい食べることができて、喜ばれていました。築地本願寺は、築地市場の協力で食材を集めたとのことです。
在宅の人たちへは、物資配給は十分に届いていません。昨日は家族7人でカップラーメン1つだった。今日は一人一杯もらえるの?と喜んでいました。避難所よりも、在宅の人たちの状況の方がかなり厳しく見えます。
その後の情報で、市から避難所以外の人に物資を配らないようにとの通達があったとのこと。配給物資は避難所の人のため、というのが決まりだからです。在宅の人より避難所にいる人の方が、状況は厳しいという前提があるからです。
校長先生は「子どもたちは屋内退避にしている」といいます。子どもたちはストレスを発散できずにいます。
避難所にいる60代後半の一人暮らしの女性は、「東京に親戚がいるので電話をして身を寄せさせてもらえないか何度も頼んでいるが、受け入れてもらえないでいる。もともと体が弱いのでここの生活はかなりつらい、でもいくところがない」
江名小学校で炊き出しの準備をしているとき、高齢者の方にお話を聞きました。
「右半身が痛く、動かなくなってきた、右目もほとんど見えない、耳も良く聞こえない。14日に手術をする予定だったがこの災害で流れてしまった。補聴器の電池がなくなりそうで、補聴器屋さんに連絡をしたが届けてもらえない、助けてほしい」と訴えてきました。
この補聴器屋も津波の被害をうけて辛うじて電話がつながっただけで営業できる状態ではないとのこと。炊き出しボランティアにきた地元の人に他の店を探してもらい電池を届けてくれる店を見つけることができました。
このようにさまざまな不安をかかえた高齢者がかなりいることが想像できます。
永崎海岸は、いわき市の中で津波被害の大きかった地域のひとつです。道は深く陥没しているところもあります。海岸沿いの家は壊滅状態です。一階の部分が完全に流されて
しまった家、波に押しやられて家につっこんだ車、家そのものが潰れて屋根が地面に落ちている家、窓ガラスが割れ、一階は泥だらけで部屋の形もなくなってい
る家。津波の威力を思い知らされる光景です。
家の片付けをしている家族に話が聞けました。
今、この家族は高台にある江名中学校に避難しています。
「もうめちゃくちゃでしょ。なにもなくなっちゃった。少しずつ片付けを始めないと、と思って今日か
ら片付けを始めたんです。地震がきたときは、家族三人一階にいました。その後、津波がきたので慌てて二階に上がりました。い
つもなら小さな津波でもうるさいくらい警報がなるのに、この日は鳴りませんでした。地震で警報も壊れてしまったのかもしれないけれど、警報が鳴れば早く避
難することができたのに。津波がいっても水がひかないので、腰まで水につかりながら着の身着のまま高台に逃げました。家族三人命は助かったのだからよかっ
たと思わなきゃ。でも、この年になって(70代)もう一度人生やり直すなんてできないわよ…」と、とても弱気になっていました。
報告:小松、内山(東京事務所職員)