ネパールで甚大な被害をもたらした大地震が発生してから、早くも3年が経過しました。
シャプラニールでは、カトマンズ盆地内住宅密集地の復旧と復興支援事業を実施し、カトマンズ地域の防災力強化に取り組んでいます。
先日カトマンズの各地区で、大地震の記憶を風化させないため、そして次の地震に備えるための「被災体験共有会」を実施しました。住民が共有したそれぞれの被災体験の一部をご紹介いたします。
2015年4月25日、地震発生時にバルラム・ウパダヤさんは自宅でテレビを観ていました。揺れが収まってから、家族と一緒に家を出て開けた場所に避難しました。バルラムさんはとても怖く不安定になったと言います。彼は家族全員の面倒を見なければならず、今後のことを思い神に祈りました。自宅近くにある仮設シェルターは利用できなかったため、家族みんなで自宅1階の前で2週間を過ごさざるをえませんでした。地震のせいで娘は病気になり、時々失神するようになってしまいました。
初日の地震の揺れが収まり、散乱した自宅を整理した後には、バサンタプール、ダラハラ、ラングシャラといった地区の様子も見に行きました。また、担当しているカトマンズ市12区の状況を調査し、被災した人々に必要な支援を届けました。被災直後の数日間、近所の人々はお互いを助け合い、みんなで食事を作って食べることで、現状を乗り越える強さを持つことができました。
バルラムさんは当時、非常用持ち出し袋を準備していなかったと言いますが、現在は今後の災害に備えて用意をしているそうです。非常用持ち出し袋、寝袋、薬、緊急物資を自宅に備えることをこの地震の教訓として学んだのです。また、自宅の天井、窓といった部分の耐震化も重要だと言います。「災害はいつでも起こりうるため、備えが大切」だとバルラムさんは地震から3年たった今も強く思っています。
復興が続くネパールですが、このような防災・減災への取り組みは、次なる地震に備えるためにも地域住民をつなぐ架け橋としても重要です。
引き続き、皆様のご支援をどうぞよろしくお願いします。