ネパールで甚大な被害をもたらした大地震が発生してから、早くも3年が経過しました。
シャプラニールでは、カトマンズ盆地内住宅密集地の復旧と復興支援事業を実施し、カトマンズ地域の防災力強化に取り組んでいます。

先日カトマンズの各地区で、大地震の記憶を風化させないため、次の地震に備えるための被災体験共有会を実施しました。
当時の体験の聞き取りを行ったシャプラニール現地職員のスリジャナが報告します。


被災体験共有会で話しに耳を傾ける参加者

被災体験共有会で話しに耳を傾ける参加者

「2015年4月25日、マグニチュード7.6の大地震がネパールを襲いました。1934年以降最悪といわれるこの地震で約8790人が亡くなり、負傷者は約22万人にも上りました。また、50万棟の家屋が倒壊し、多くの人々が住む場所を失いました。
地震から3年経った今でも復興活動は続いていますが、政府からの支援を得るための情報は不足しており、被災した家に住み続ける人や自己資金で家を建てる人たちもいます。

シャプラニールは現在、将来の災害に備えて地域住民の防災能力を強化するための事業に取り組んでいます。
先日は被災者が体験談を共有するワークショップを開催しました。

発表者は地震が起きた時の行動や被害の状況、自らが直面した問題などを語り、そこからの学びを参加者に伝えました。
学びとして、自宅以外の安全な場所、避難場所を事前に確認しておくこと、防災グッズや緊急連絡先を用意すること、住居の耐震構造が重要であることが共有されました。

震災後、人々は災害に対する備えがいかに大切か自覚し始め、防災に関する情報に耳を傾けるようになったといえます。
防災の意識は日常生活を送る中で薄れてしまいがちですが、このような場を設けることで定期的に思い出すことが必要だと考えています。」

シャプラニール カトマンズ事務所プログラムオフィサー
スリジャナ・シュレスタ


復興が続くネパールですが、このような防災・減災への取り組みは、次なる地震に備えるためにも地域住民をつなぐ架け橋としても重要です。

引き続き、皆様のご支援をどうぞよろしくお願いします。

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