本ネパール大地震・緊急救援&復興支援は終了しました。また、後継のカトマンズ盆地内住宅密集地の復旧・復興支援事業を実施した「ネパール大地震・復興&防災支援」も2019年10月に終了しました。詳しい活動の内容はこちらをご覧ください。
2015年4月25日(土)現地時間11時56分、ゴルカ郡(カトマンズより西へ80km)を震源としたマグニチュード7.8の大地震は死者8,891名、倒壊家屋893,509戸(2015/9/28時点)という甚大な被害を引き起こしました。
多くの援助機関が撤退する中、20年間ネパールで活動を続けてきたシャプラニールは、これからも復興支援を継続します。
- 緊急救援活動(発災〜2015年6月初旬)
- シャプラニールでは、地震発生翌日には緊急救援活動実施を決定し、2015年5月末までの間に計6名を現地に派遣し、カトマンズ事務所長、現地スタッフと合流し、すぐに物資配布を中心とした救援活動を実施しました。約20年にわたってネパールで活動してきた経験、ネットワークを活かして、支援が届かない地域、人々への支援を意識して活動を進めました。この間、日本では多くの個人、団体の方からご寄付をいただけたことで、迅速な安心して救援活動を進めることができました。
その結果、主に毛布約2,700枚、マットレス2,430枚、ビニールシート約1,900枚、食糧2,330世帯分を緊急救援物資として配布し、約5,400世帯へ支援することができました。カースト制度の残るネパール社会の中で阻害されがちなダリット(不可触民)の人々や寡婦へ支援が行きわたるよう意識をしながら、地域の行政、現地のNGOと協力して公平に配布を行いました。遠隔地だけでなく、比較的カトマンズに近い地域でも支援から取り残されている村もあり、そういった地域へも必要な支援を届けました。
期間 地域 世帯数 活動内容 5/1 チトワン郡 郡病院へ医薬品キット54セットを提供 4/30〜5/7 チトワン郡4村 718世帯 被災者への物資の配布
・ビニールシート329枚
・毛布270枚
・食糧セット(5人家族×5日分)370セット
(米12kg、ダール豆2.5kg、塩1kg、大豆油1L、大豆たんぱく250g、香辛料一パック、石鹸一つ)5/13 チトワン郡3村 63世帯 支援物資購入のためクーポン5,000Rsクーポンを山崩れの危険があり移住勧告が出された63世帯へ配布 5/1, 5/2 カトマンズ郡
キルティプール市500世帯 食糧セット(5人家族×5日分)500セット配布
救護所への医薬品提供5/4〜 カトマンズ郡 児童労働削減の活動のパートナー団体CWINに集まった若者ボランティアのコーディネーション、管理をピースボートにやってもらえるよう橋渡しを実施。 5/6 ヌワコット郡
トゥプチェ村110世帯 食糧セット(5人家族×5日分)100セット配布 5/12 ラスワ郡
ヤルサ村1,350世帯 米30Kgを1,350セット配布 5/15 ラメチャップ郡2村 1,363世帯 シェルターキットを1,363世帯へ配布
(キット:ビニールシート1枚、マットレス1枚、ロープ1本 、毛布1枚)5/11, 5/19 カブレパランチョーク郡2村 1,254世帯 村の緊急救援物資購入予算のうち、足りない部分を支援することで村の被災全世帯が物資配布を受けられるよう支援
・毛布1,067枚
・マットレス1,067枚
・ビニールシート187枚 - 復興支援活動(初期)(2015年6月〜2016年3月)
- 支援活動の決定に際し、以下のポイントに重点を置いて検討しました。
- 支援の届かないところへ届ける
- 地域(丘陵地帯/カトマンズ盆地内)の偏りがないように
- 今後の防災事業へのつながり
活動 地域 対象 概要 仮設住宅支援 タナフン郡 全壊家屋500世帯 政府の指定する被災14郡から外れて支援が届いていない地域などで、仮設住宅建設時に屋根や壁に使用できるトタン板を配布した。 オカルドゥンガ郡 全壊家屋310世帯 コミュニティ・ラジオ再建支援 シンデュパルチョーク郡、ダディン郡、ラスク郡、ゴルカ郡、カブレ郡、ラメチャップ郡 コミュニティラジオ局 ネパールの生活に密着し、情報を得るのに欠かせないコミュニティラジオの放送局が被災し屋外のテント等で活動している状態だった。機材購入などにより10カ所のラジオ局の復旧を支援した。 チトワン郡生活再建支援 チトワン郡 移住勧告が出された24世帯 家屋が倒壊し、土砂崩れの危険から移住勧告が出された山間部の住民の移住先の住居やトイレ建設などの生活再建支援を行った。 - 復興支援活動(2019年10月終了)
- 取り残された地域で
- 被災者の生計手段支援:地震で生計手段を失った、収入が十分に得られていない被災者の中でも、社会的に弱い立場の人を優先した75名の被災者に対し、新しい事業を始めたり事業を再開したり、収入を向上したりするために必要な支援を行います。
- インフラ支援:集落が共有して使っている水場や細い道、広場といったインフラを修繕する復興支援を行います。
- 次の災害に備えて:普段からの近所付き合いの集落単位で、地域防災リーダーの育成やハザードマップの作成、救急救命用具の設置、避難用品の備蓄といった防災・減災活動を行います。
- リソースセンターの運営:復興に関わる情報をまとめて見られる場所がなく、住民は噂ともつかない情報に翻弄されています。そのため、復興関連情報を集め、共有・発信するリソースセンターの開設を考えています。
- 被災学生の教育支援:被災による経済的困難から入学、通学が難しくなった青年の大学、専門学校の学費支援を行います。
被災した人々が安心して過ごせる場所を
被災によって抱えた困難を誰かに話すことができ、生活再建に関する情報が簡単に手に入る場所を提供するために開設したコミュニティスペースの運営を、地域の情報を集め、発信する役割を担うコミュニティFMラジオ局と協同で継続します。情報提供のほか、傾聴やイベントを通じて、厳しい非難生活の中で抱える不安や辛さからひと時でも解放されるような憩いの場を作り出します。
活動 地域 対象 概要 防災・減災活動 カトマンズ市、ラリトプール市 カトマンズ盆地内の住宅密集地域 被災者の生計向上支援(2017年3月終了)、集落の共有インフラ修繕、防災リーダー育成、防災地図作成、地震時の経験のまとめなど 詳しい活動は「ネパール大地震・復興&防災支援」をご覧ください。
コミュニティスペースの運営 シンドゥパルチョーク郡、ダディン郡、ゴルカ郡、ドラカ郡、カブレ郡 被害の大きかった地域の住民 住民が交流してリラックスしたり、情報を得、発信したりできるスペースをコミュニティラジオ局に併設して運営する。(2017年3月終了) 被災学生の教育支援 カトマンズ市近郊 被害の大きかった地域の住民 被災による経済的困難から、入学・通学継続が難しくなった青年の大学、専門学校の学費支援を行う。(2017年3月終了) 「ネパール大地震から2年」特設サイトで公開中
>詳しくはこちら
復興支援を含む、次の災害へ備えるための取り組みも実施しました。
>2017年3月以降の活動詳細はこちら<
現地活動ルポ
防災が身近になった3年
耐震性に乏しい伝統的な家屋が多く、4年前…