ダッカ事務所長 藤﨑文子
5月1日、先に決定したカトマンズ盆地の南西に位置する古都キルティプールで、被災した500世帯を対象とした食料配布の準備が進んでいる。シャプラニールスタッフの友人、きょうだいを中心に警備員や運転手も袋詰めに協力してくれた。
パケットの内容は一家族5人5日分として計算。米、ダール、塩、からし菜油、糒、ビスケット、乾麺、経口保水塩、石けん、砂糖。
朝11時前に、筒井評議員とともに、情報収集のためネパールの事業パートナー団体であるRRN(Rural Reconstruction Nepal)とCWIN(Child Workers in Nepal Concerned Center)を訪問。RRNはネパールNGOが加盟するネットワーク組織の事務局もつとめており、全体状況把握のための有益な情報が得られた。
<RRNにて、右から事務局長Arun氏、筒井評議員、Sarba氏>
多数の国際機関、NGOが救援に入っているものの、被災した人のところにはまだほとんど救援の手が届いておらず、被災者の間には不満が広がっている。救援物資を載せた車両が、救援を待つ被災者などに途中で止められて荷物を奪われるという事例も報告され、救援をさらに遅らせる恐れがあるという。
一方、カトマンズ市内の病院などでは、被災者のために何かしたいというボランティアが集まってきているが、コーディネーションがうまくいかずボランティアが放っておかれる状況もあるとのこと。東日本大震災でボランティアコーディネーションの経験もある私たちシャプラニールが貢献できることがあるかもしれない。
<CWIN事務所でも多くのボランティアが活動中>
ネパール暦バイサーク月(5月14日)いっぱいは学校は休校となることが決まっているが、崩落などの二次災害をおそれて子どもたちが教室に入れない、勉強が手につかない可能性があるため、校舎の安全確認が早急に必要だという、子ども支援を専門とするNGOならではの意見も聞かれた。
その後、ネパールで活動する国際NGOのネットワーク組織AINの定時ミーティングに参加。コーディネーションの様子を確認し、4時過ぎから女性支援を行うNGOの訪問を受け、2日目は終了した。
以下は5月1日午後、キルティプールで食料配給をした時の様子。
<被災した人たちが過しているテントの外観と内部の様子>
<物資を手渡しする宮原カトマンズ事務所長>
<バングラデシュから持ち込んだ医薬品を使ってけが人を治療している様子>
医薬品は、バングラデシュのダッカ・山形友好病院でボランティアをされている看護師の小林さん、院長のラーマン先生や当直の医師、ベンガル人看護師の協力で調達したもの。被災者が身を寄せる避難所に届けたその場で使ってもらえたのは本当に嬉しい。