5月5日、この日はカトマンズから北に直線距離で約40km、車で3~4時間のところにあるヌワコット郡を訪問し、現地NGO、SWI (Social Work Institute)と物資配給を行いました。
ヌワコットは、北のチベット、さらに西北のゴルカとカトマンズを結ぶ要の場所であり、300年前の王宮やヌワコット要塞跡が残っています。ヌワコット郡は、今回被害の大きかった郡の一つで、郡庁のあるビドゥール市内のメインストリートにもいくつかの倒壊家屋や商店が見受けられます。
前日に予定していた配布先に支援物資が届けられたため、急きょ配布場所を変更し、新たな配布者リストの洗い出しの作業が行われ、到着後すぐに候補地を視察に行くことにしました。一見して、倒壊家屋の割合がキルティプールと比べ格段に多く、特に日干し煉瓦や石を積み上げて作った家々の倒壊が目立ちます。集落すべての家が倒壊しているところも見られました。
SWI 代表、ノムラジ氏の出身の村も訪れましたが、村人からの要求が多いことから、ノムラジ氏本人から「混乱が生じる可能性があるので、ここでの配給はやめよう」という提案がありました。
そして、ジャファティ地区で85世帯を対象に配布することに決定しました。85世帯のうち13世帯の住むトゥプチェ村では、全員ミジャールという革職人のカーストで、すべての家が全壊。また、この地区の住民は、さまざまなカーストが混在していますが、配布に当たっては、ダリット(不可触民)と呼ばれるカーストの人々に限定しました。
5月6日朝、王宮の状況を視察しました。王宮前の道両側の家屋はほぼ全壊。王宮もかなり壊れていました。住民はがれきの撤去やトタンの取り出しなど忙しく動いていました。
その後、さらにジャファティ地区の72世帯に物資を配布し、ダリットにのみ食料品と交換できるクーポンを配布。そのことで、他のカーストの住民からクレームがでましたが、余分に5袋を女性たちのリーダーに公平に分けることを条件に引き渡しました。また、13世帯のダリットの集落で物資を配給し、のこる9袋については、近隣のマチャポカリ村に住むタマンと呼ばれる民族のコミュニティ20世帯に全体で分けてもらうことで配布ししました。