カトマンズの北、中国の国境に近いラスワ郡において5月12日と13日に緊急支援物資の配布を実施しました。支援先はラスワ郡の南に位置するヤルサ村(Yarsa VDC)。約1100世帯が住む山間の村です。
ラスワ郡は広大なランタン国立公園を有する郡で、トレッキングに訪れる観光客も多くいます。一方で、首都カトマンズからの交通のアクセスが非常に悪く、今回の地震発生後は、土砂崩れのため道が閉鎖されており、なかなか支援物資が行きとどかない状況も発生していました。
今回の支援先のヤルサ村も他団体の支援が入っていない村でした。ラスワ郡の入り口にあるカリカスタンというバザールがある町から車で東に1.5時間(ちなみにヤルサ村の多くの人は車もバイクも持っていないので基本的にこのバザールまで買い物をするためには、近い人でも4時間程度歩くそうです)。村までの道のりは車道が整備されているわけではないので、でこぼこの山道を車の天井に頭をぶつけながら進む感じでした。
ヤルサ村支援のパートナー団体になってくれたのは、ネパール国内で社会活動の人材を育てる活動をしているSWIという団体で、今回の緊急救援の初期から一緒に活動しています。
今回配布したのは1世帯あたり30キロのお米です。配布前日までにSWIと地元の災害救援委員会のメンバーが配布者リスト、救援物資の引き換え券を各世帯に配布していたので、配布の際に大きな混乱が生じることはありませんでした。
村全体をカバーする物資の配布は私たちシャプラニールが初めてだったので、村の方々が心待ちにしてくださっていたようでした。ただ、車がかろうじて通れる道から村の方々が住む集落までは、山を下ったり、あるいはさらに登ったりして約2時間から遠い方で5時間ほどかかるそうで、配布の受け取りにも1日がかりでした。
また、バザールから村までお米を運ぶために準備していたトラック5台のうち、あまりの山道で3台が故障してしまうハプニングにも見舞われ、なかなかスムーズに物資を届けられない村の現状にも直面しました。
ネパール事務所長 宮原麻季