シャメズ・ウディンさんは、息子4人と娘2人の8人家族です。スナックを売る仕事をしても、1日に1回しか食事ができない、とても厳しい生活をしています。そして、子どもたちも途中で学校を辞めさせなくてはならない状態になってしまいました。2004年、STEPのスタッフがこの家族の状況を知り、まずは彼自身が精神的に強くなる必要があると、何度も訪問して話しました。
その後、シャメズさんはローンを借りて小さなビジネスをはじめ、1日に250タカ程度稼ぐことができるようになりました(以前は1日120タカ程度)。子どもたちは通学を再開し、長男は高校卒業試験も合格しました。長男は中古のバイクをローンで買い、1日300タカを稼いでいます。次男も高校卒業試験を合格した後、シャメズさんの農業の手伝いをしています。子どもたちが教育をきちんと受けることができた上、ローンを借りたことで収入を増やすことができたおかげでシャメズさん一家の暮らしは変わりました。地域の人たちが、祭事などに声をかけてくれるようになるなど、彼ら家族を見る周辺の意識も変わってきています。
(ヌルル・イスラム/プログラム・コーディネーター、STEP)
災害リスク軽減のためのコミュニティ開発